「凄麺」の豊富なラインアップで旅情を醸すディスプレイに!
「ラーメン王国」会津の人々をも唸らす「凄麺」のご当地麺旅行
ヤマダイの看板商品「凄麺」をテーマにした「やるじゃん凄麺!ディスプレイコンテスト」が今秋開催された。今回準グランプリを獲得したのは、福島県会津坂下町のスーパー、リオン・ドール坂下店だ。
凄麺の特色である、ご当地麺の豊富なラインアップを生かしたディスプレイが目を惹く。テーマはズバリ、「麺旅行」。それぞれのご当地麺を紹介するキャプションには、味の特色はもちろん、それぞれの「ご当地」に移動する際にかかる本来の時間が記載されている。「本当に旅行となると結構な時間がかかるところを、お湯をかけるだけで体験できる、というのが今回のディスプレイのコンセプトです」とグロサリーマネージャーの青山ひかる氏は語る。
また、会津盆地中西部に位置する当店はラーメンで全国的に名を馳せる喜多方市にもほど近く、ラーメン文化が市民に深く根ざした土地。そこでディスプレイの中央には喜多方ラーメンを配置することに。「喜多方ラーメンは地域の誇りの味。それをカップ麺でどう再現しているのか、気になって購入される方がたくさんいらっしゃいました。こだわりを持たれている方も多いのですが、それでもみなさん、納得していただけたのではないかと思います」(青山氏)
購買者がはたと足を止めるようなディスプレイへの全社的取り組み
当店は市街中心部からやや離れた国道沿いに位置し、ホームセンターや百円ショップなどが併設されている、いわゆるロードサイド店舗。家族連れや高齢者がクルマで来店し、まとめ買いをする、という購買パターンが多く見られるそうだ。
このような購買者は傾向として、来店前からあらかじめ買うものが決まっていることが多いという。さらに先般のコロナ禍による市民の衛生感覚の変化によるものだろうか、購買者の店舗内での滞在時間は以前と比べて減少傾向にある。その中で、いかにこちらが売り出したい商品の前で足を止めてもらうか。それこそが売上を伸ばすためのカギだと青山氏は語る。そのための試みの一つが、このこだわりのディスプレイづくりなのだ。
さらに、動線としては出口として想定される、サービスカウンター側に売場を配置したことにも1つねらいがある。多くの購買者はまず生鮮食品など、来店前に思い描いていた必要なものを一通り買い込む。そしていざレジへ進もうとしたその時にこのディスプレイが目に飛び込んでくる、という仕掛けだ。このコーナーはふだんから、カップ麺のほかに飲料などといった、購買者がついでに欲しくなるような商品との出合いの場として、意識して売場をつくっているのだという。
このようなディスプレイづくりに関する、リオン・ドール全体としての取り組みにも注目。今回のコンテストは実は、90店を超えるリオン・ドールの全店舗で参加したことにも、その積極性が窺える。さらに、社内において独自の売場コンテストを開催しているというから驚きだ。「ディスプレイづくりにふだんから取り組むことは、お客さまに商品をいかに魅力的に見せるかの勉強の場にもなっています。売場をつくり上げるスタッフのレベルアップにおいて、今や欠かすことのできないイベントですね」と店長の安部一洋氏は語る。今後のコンテストにおいて、全社的にディスプレイづくりに取り組むリオン・ドールがさらに注目されることは想像に難くないだろう。