「凄麺合戦で天下を目指せ！」をテーマにエンド3本にまたがる迫力ある演出で盛り上げる

買物で気持ちを引き立てる明るく元気な陳列をめざす

（株）ホクノー ちびホク厚別５条店

今回の陳列を担当した（株）ホクノー ちびホク厚別５条店の泉伸一店長は、同店で多くの大陳コンテストに参加し、受賞歴を重ねてきた。泉店長は、「規模の小さな、リピーターのお客様中心の店ですが、特にコロナ禍以降は、日常生活の買物の中で、売場の変化や楽しさを感じてもらい、さまざまな閉塞感を払拭できるような、明るく元気な売場づくりをめざしています」と大陳に取り組む動機を語っている。

その言葉通り、同店ではスタッフが協力して同時に複数の大陳企画を展開することが多く、常に活気にあふれている。大陳スペースやエンドなどは、その時々でさまざまな演出の売場を展開している。

同店の大陳は、独自の技術を駆使して自作する販促物や、陳列の美しさだけではなく、商品の特徴を掘り下げた情報発信や、独自のアイデアを盛り込んだテーマ設定も特徴的だ。

泉店長は、「陳列は建築に似ていると思うんですよ。構想があって、具体的なものを積み上げていく。最近、自分でもいろいろな勉強を始めていて、世界観というのか、たとえば今回の城とか、さまざまな建築物の背景や、どのようにできているのかを研究しています。そうしたアンテナを張っておくことで、陳列に役立つことがあるような気がしています。売場で何かを表現するにしても、よく理解して、特徴をつかんでおけば、伝わりやすいのではないかと」と語る。

手作りの造形物を駆使して戦国の城をリアルに表現

ちびホク厚別５条店の店長 泉伸一氏（右）とヤマダイ札幌出張所の高間健太氏

今回グランプリを獲得した陳列は、戦国時代の武将が天下をめざす競り合いがテーマ。対象商品が全国のご当地ラーメンを揃えたヤマダイの「凄麺」シリーズであることから、それぞれ各地の味が、特徴を生かしてしのぎあう「凄麺合戦」を表現することにした。

「構想自体は、以前にヤマダイさんのコンテストに参加した時から頭にあったのですが、入賞を狙える構想にならなかったため、もう少しブラッシュアップしたいと考えていました。店が小さく陳列数量が限られるので、なかなかグランプリは難しいと思っていましたが、結果をお聞きして驚きました。大変うれしいです」（泉店長）。

実際の陳列では、エンド3本にまたがる迫力ある演出を展開。それぞれのエンドに、石垣を備えた城のディスプレイを制作して浮き立たせ、背景には青い空をあしらった。さらにフロアディスプレイは、お堀の水をイメージさせるビジュアル表現を施している。またエンドの腰巻き部分でも石垣を表現するなど、細部にまでこだわった演出を行っている。

陳列の横には小さい商品パッケージを制作して飾り付けたほか、「腹が減っては戦はできぬ」のキャッチもあしらい、全体として合戦ムードを盛り上げ、サイドにかがり火とやかんのイラストを貼り付けるなど、思わず笑ってしまうような演出も盛り込まれている。

泉店長は、「お客様の感想としては、『なんでお城なの』という声もあり、こちらのイメージとややギャップがあったかもしれません。ただ考えていたものがそれなりに表現できましたし、販売実績もよかったので、成功だったと思っています」という。

次回のコンテストについてもオリジナリティのある売場が期待できそうだ

天下を争う「凄麺合戦」がテーマ。エンドに掲げた城や石垣のリアルな造形と迫力で、来店客が驚き、思わず目を引きつけられてしまうような、楽しさにあふれた演出を実現した