細部までこだわったオリジナル販促物と迫力あるディスプレイでグランプリ獲得
日頃からとにかく目につきやすい陳列をめざす
㈱マルサンのスーパーマルサン桶川店は今回、ヤマダイのコンテストに初参加で大陳コースグランプリを受賞した。桶川店としては初参加だが、以前から別の店舗ではヤマダイのコンテストに参加しており、「やっと獲れた」と実感をもらすのが株式会社マルサン常務取締役の沼田佳二郎氏。
同社商品部副部長の阿迦井由美子氏も「以前から久喜店でコンテストに参加し、グランプリを狙ってきましたが、なかなか獲れずに、会社としては今回3回目の参加。今度こそ必ず獲るという意気込みで臨みました」という。
同じく商品部副部長の関谷賢一氏は「常務と阿迦井さんの2人が主にやっているので、私としてはグランプリなんてすごいな、というのが正直な気持ちです」という。
同店はマルサンとして4店目の店舗として2018年11月末にオープン。思いきった価格戦略と、生鮮の鮮度で差別化を図ることで注目度の高いチェーンだ。
「 グロッサリーについては、いかにお客さまの目にとめていただき、購入を検討していただけるか。とにかく目に入るような売場づくりを心がけています」(沼田常務)。
そうした方針のもとで、メーカーから提案されるディスプレイコンテストについても重要な機会と位置付け、力を入れている。今回のコンテストについても沼田常務は、「『凄麺』はもともと売れる商品なので、大量に陳列しても売り切る自信がありました」という。
手作りで仕上げた「凄麺」の立体ディスプレイ
今回の陳列でまず目を引くのは、ボリューム感のある陳列量に加えて、中央に配置された特大の「凄麺」立体ディスプレイだ。
阿迦井氏は「いつもそうですが、陳列のアイデアについては、まずは常務の発想からでてくる無茶ぶりから始まります。今回も“カップラーメンをデカく再現したのがほしいね”のひとことから始まりました。
それを精一杯頭をひねって形にするのが、私や関谷ということになります」という。
まずプラ板を使って半円を作り、商品のパッケージを拡大コピーして貼り合わせていった。中も実際に作った画像を拡大して貼り付け。フタの表面など見えにくい部分まで、高い精度で見事に再現されている。
立体感を生んでいる「凄麺」の切り文字は、沼田常務みずから発泡スチロールを切り抜いて色付けしたものだ。
「上部に配置したボードのメッセージは、ヤマダイさんのカタログや資料を参考に、どこをアピールするかを考えました。書体やヤマダイさんのキャラクターを盛りこむことにもこだわっています」(沼田常務)。
陳列そのものには、4人で作業して3時間程度、事前の造形物などの準備については、阿迦井氏と関谷氏が通常業務の合間をみながら、2日間程度かけて仕上げている。
「こういう機会がないとなかなかできない経験で、できあがっていくのが楽しいですね。
毎回ハードルが上がりますが、それをクリアすることで経験値が高まっていきます」(阿迦井氏)。
来店客の反応も大きく、「凄い」という声や陳列に集まる子どもの数も多かったという。販売実績も好調でスムースに売り切ることができた。
沼田常務は「普通のスーパーだと自分の欲しいものを探しに定番棚に行きますが、うちの場合は、店に来たらこんなのがあったから買っていく、というように買い物の発想が違います。そのためにも目につく陳列は重要です。今後も自分たちの思いが伝わるような他にはない陳列をめざしていきたいです」と語ってくれた。