株式会社ライフスケープマーケティング トータルサービス部第2グループリーダー 鈴木琢磨
1.「ウインナーソーセージ」の食卓出現が伸長
一時は出現が低迷していた「ウインナーソーセージ」。しかし直近一年間における「ウインナーソーセージ」の前年超え週の回数は52回中41回となっており、出現の回復傾向を読み取ることができる。(前年超え回数ランキング2182材料中24位)<図表①>
<図表①> 材料TI値(前年超え回数ソート) 出典:食MAP® 主婦世帯食MAP(モニタ募集時年齢64歳以下) 分析期間:2019/04/01週 食卓機会:1日計 ※前年超え回数:直近52週のうちTI値の前年同週比100%を上回った週の数
2.「ウインナーソーセージ」は朝食の簡便メニュー
「ウインナーソーセージ」はどのシーンで伸長したのだろうか。「ウインナーソーセージ」というとお弁当のおかずのイメージがあるが、実際に伸長を牽引しているのは朝食シーンであった。<図表②>
<図表②>「ウインナーソーセージ」食卓機会別TI値 出典:食MAP® 主婦世帯食MAP(モニタ募集時年齢64歳以下) 分析期間:2014/01~2018/12 食卓機会:1日計 ※TI値:1000食卓あたりの出現回数
では、朝食で「ウインナーソーセージ」を食べているのはどんな世帯だろうか。<図表③>で特に伸びが目立つのは子供のいる世帯であった。子を持つ主婦の朝は何かと準備で忙しい。朝食の手軽なおかずとして「ウインナーソーセージ」は重宝されているのではないだろうか。
<図表③>「ウインナーソーセージ」朝食の末子学齢別TI値 出典:食MAP® 主婦世帯食MAP(モニタ募集時年齢64歳以下) 分析期間:2014/01~2018/12 食卓機会:朝食 ※TI値:1000食卓あたりの出現回数
出現が伸長していた一方で、M値(使用メニュー種類)は広がっていない<図表④>。つまり限られたレシピがリピートされることで出現が伸びたことになる。直近年の「ウインナーソーセージ」の使用メニュー構成比<図表⑤>によると、ソーセージのソテー・油炒めや、ボイルソーセージといった手軽なメニューが全体の7割近くを占めていた。「ウインナーソーセージ」はレンジ調理などもできるため、朝の簡便メニューとしてのポジションが定着している様子である。
出典:食MAP® 主婦世帯食MAP(モニタ募集時年齢64歳以下) 分析期間:2014/01~2018/12 食卓機会:朝食 ※M値:使用メニュー種類数
<図表⑤>「ウインナーソーセージ」朝食の使用メニュー構成比(2018年) 出典:食MAP® 主婦世帯食MAP(モニタ募集時年齢64歳以下) 分析期間:2018/01~12 食卓機会:朝食 ※構成比:使用メニュー数全体を100%とした場合の各メニューの構成比
3.データに裏打ちされた売り場展開
ここまでのデータから「ウインナーソーセージ」が伸長した背景に、「朝食」「簡便」「子供のいる世帯」といったキーワードが見えてきた。POSデータだけではわからない消費の「なぜ?」を知るために、最終消費シーンを把握できる食MAPデータの活用は有効だ。今回の分析はそれらのほんの一部にすぎないが、こうした取り組みがデータに裏打ちされた売り場施策につながるのではないだろうか。
本稿内データは(株)ライフスケープマーケティングが提供する以下ツールを用いて算出しています。
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