ロングセラー商品を再認識できる懐かしさと魅力をアピールした売場
新元号を祝うタイムトラベル
今年の春に実施されたUCCの「第28回ディスプレイコンテスト」において、Party Drinkコースの全国グランプリを受賞したのは、㈱やおふく(長野県上田市、清水金二代表取締役社長)の東御店だ。同社の商品部グロッサリーバイヤーの宮下智広氏は「昨年の初挑戦から2回目で、全国グランプリを受賞できるとは思っていなかったので、ただただ驚いています」と語ってくれた。
元号改元のタイミングで実施した売場展開は、昭和〜平成〜令和への時代の流れとUCC商品の発売年をリンクさせた「タイムトラベル」をテーマとした独創的なディスプレイとなっている。発売から50年の「UCC ミルクコーヒー」や発売から25年の「UCC BLACK無糖」をはじめ、それぞれの商品の発売年や特徴、おいしさの秘密などをオリジナルPOPとして作成。来店客の興味を喚起し、購買意欲を高めた。
「高齢者も多く来店するので、UCC ミルクコーヒーは懐かしい商品ということで、予想を上回る人気でした。その他の商品も、よく売れました」と宮下バイヤーは話す。
懐かしさがあり、楽しく買物ができる売場になったことから、売上アップもできた。
「ロングセラー商品が多いUCCさんの商品はファンが多いので、大陳しても商品の回転がいいので、参加しやすいのも魅力」(宮下バイヤー)とのことだ。
地元に愛されて創業100年!
1919年に青果店として創業した㈱やおふくは、創業100年。顧客の要望に応え、取り扱い商品を増やしていくことで食料品店となり、そして1972年にスーパーマーケットへと発展した地域密着店である。現在は、上田市を中心に4店舗を展開している。
東御店は、60歳以上の顧客が多いことから、商品がわかりやすい売場づくりが重要となっている。そのため、POPを重視し、コトPOPやメニュー提案POP、レシピPOPなどをより多く採用している。
ディスプレイコンテストも売場のマンネリ化防止や販売促進策として活用する価値がある。さらに、「売上をアップさせるために、回遊率を上げることや動線をつくるためのマグネットとして、コンテストの売場を利用することを考えています」と宮下バイヤー。
今回の売場は青果コーナー近くで展開することで、客動線をつくるマグネット効果を発揮する売場となった。「コーヒーは、青果との関係は薄いのですが、UCCはブランド力があり、顧客ロイヤルティーの高い商品が多いことから、マグネットの役割を十分に発揮してくれました」と、狙い通りの結果に、宮下バイヤーは満足している。
ディスプレイコンテストに参加して、高い評価を受けることで自信になる。さらに、従業員のモチベーションアップにもつながるなど、参加することで得るものは大きい。宮下バイヤーは、「さらに実力アップを図り、次回もグランプリを受賞できるように頑張りたい」と語ってくれた。