コーヒーをおいしく楽しむためのポイント訴求にアイデアがある
3年連続のグランプリ受賞
店長の鈴木健之氏(右)と、UCC上島珈琲(株) 中部支社 東海支店 係長 升田里美氏
昨年の秋に開催されたUCC「第25回ディスプレイコンテスト」において、おうちで淹れたてUCCコースの全国グランプリを受賞したのは㈱エース(静岡県伊豆の国市、八木戸一仁代表取締役)の沼津店である。売場づくりを担当した店長の鈴木健之氏は「3年連続のグランプリ受賞に、驚いています。前回まではチーフとして、今回は店長になっての受賞なので、いつもと違う喜びがあります」と語ってくれた。
今回はハロウィンをテーマに、家で楽しむコーヒーを訴求した売場をつくりあげた。ハロウィンの演出だけでは、コーヒーとのつながりも弱く、提案力に欠ける。そう考えていた鈴木店長は「UCCのリーフレットに掲載されていたコーヒーをおいしく淹れるコツをヒントに、『魔法の20秒の蒸らし』を紹介しよう」と考えた。写真付きのコーヒーの淹れ方解説POPと、「おいしく淹れる魔法は20秒の蒸らし♪」というフレーズのトップボードを設置した。
ハロウィンと連動させたアイデアのある訴求を効果的に伝えているのが、オリジナルのPOPである。社内のPOP制作担当者をはじめ、UCCの担当者の協力も得て完成した売場。「みんなの力が結集されて、魅力的な売場が完成しています」と話す鈴木店長。3年連続のグランプリは、チーム力が生み出した結晶である。
地域との関わりが発想の源
富士山がバックに映えるエース沼津店。地元の食材を取り揃えるなど、地域密着を重視している
地域密着型のスーパーマーケットとして、静岡県内で5店舗を展開している㈱エース。売場がマンネリ化しないように、演出や活性化を重視している。
沼津店も、古くからの顧客が多いことから、売場活性化には注力している。その1つがディスプレイコンテストの活用である。「UCCさんの秋のコンテストは、夏から秋冬へと店内演出を切り替えるときに、ピッタリな企画になっています」と鈴木店長。鍋などの定番的な季節テーマとは違うアプローチができるホットドリンクとしてのコーヒー。華やかなイメージ訴求も可能なことが魅力だ。受賞をめざすというよりも、店頭活性化の施策として取り組んでいることが、3年連続のグランプリ受賞につながっていると考えられる。
また、日本茶の名産地である静岡県では、コーヒーの他に緑茶も好む傾向がある。そのなかでも、UCCブランドは支持されているが、拡売を推進するために、コーヒーが苦手という人にも、アプローチを行った。飲みやすいラテ商品の「BEANS & ROASTERS」シリーズを今回のディスプレイコンテストで陳列している。この商品提案によって、UCCのレギュラーコーヒーやインスタントコーヒーと一緒に購入するケースが増え、買い上げ点数増加の促進となった。その後のリピート購入にもつながり、売上拡大にも効果を発揮している。鈴木店長は「店長となって、地域の皆さまの意見や要望を聞ける機会も増えたので、それらを生かして、より愛される店にしていきたい」と語ってくれた。