他ではできないような演出や独自性への挑戦をテーマに展開
親近感の中にインパクトを!
右から、食品バイヤーの佐藤広孝氏と食品マネージャーの久保貴広氏
今年の春に実施されたUCC「第24回ディスプレイコンテスト」において、売場提案コースの全国グランプリを獲得したのは明治屋産業㈱(福岡県福岡市、谷尾一也代表取締役社長)のびっくり市(福岡県直方市)である。売場づくりを担当した1人である食品バイヤーの佐藤広孝氏は「挑戦し過ぎた売場づくりだったため、全国グランプリは無理と思っていたので、受賞できて、本当にうれしいです」と語った。
「UCCゴールドスペシャル」は、同店でも人気商品であり、売れている商品。ふだんから大量に陳列していることから、来店者が見慣れているため、違う商品をメーンにする売場づくりを実施。「来店者への訴求力アップと他店との違いを打ち出すために『お・い・し・い カフェインレスコーヒー』シリーズを思いっきり陳列しました」と食品マネージャーの久保貴広氏。子供からシニア層まで幅広い層が来店することから、カフェインレスコーヒーは有意義な提案であった。
「寝る前でも 妊婦さんでも お子さんでも カフェインが入っとらんけん いつでも誰でも 飲めるんばい!!」と、地元・九州弁のトップボードを作成。郷土愛や地域密着を重視したアプローチは、コミュニケーション効果やオリジナリティーの面でも抜群。ほかにはない独創的なチャレンジで、アピール力の高い売場となった。
テーマパークのような楽しさ
豊富な品揃えとリーズナブルな価格から、飲食店関係者の購入も多い「びっくり市」
明治屋産業(株)は精肉小売業として創業し、1976年に「びっくり市」をスタート。金・土・日曜の3日間開催のウイークエンド・マーケットとして展開している。
精肉をはじめ、鮮魚、青果の生鮮はもちろん、食品や日用品、米屋や味噌屋、日本茶の専門店など、さまざまな店とともに、フードコートもある。さらに、ゲームや乗り物などのアミューズメントコーナーも併設した、まさに食のテーマパーク&マーケットである。
近隣住民はもちろん、福岡市内や大分県など遠方からの来店者も多数いる。また、観光バスツアーにも組み込まれており、旅行者も立ち寄るほど、人気の高い店になっている。また、地域貢献として、地元高校の体験実習先として高校生の受け入れも行っている。
「とにかく、週末の3日間を楽しみに来店いくださるお客さまに満足いただけることが、第一」という佐藤バイヤーは、「びっくり市だからこその独自性、楽しさは常に意識しています」と語る。
「コーヒー会社として、さまざまな商品を提案し、ラインアップをしてくれるUCCなので、その強みを生かす売場をつくること。そして、他店ではやらないようなアプローチにこだわること。それが、お客さまにも新鮮に映り、買物が楽しめる売場になると思います」と久保マネージャー。
「言葉は悪いですが『中途半端はやらない』をモットーに、今後も売場づくりを行っていきたい」という2人。チャレンジ精神とともに、独自性を重視して、次回も参加したいと意気込みを語ってくれた。
あえて売れ筋の「UCCゴールドスペシャル」を控えめに。売場づくりにはUCC担当者のアドバイスや協力が重要とのこと