ハロウィンを日本風にアレンジ!アイデアで注目される売場づくり
幽霊で和のハロウィン
2019年の秋に実施されたUCC「第29回 ディスプレイコンテスト」のParty Drinkコースにおいて、全国グランプリを受賞したのは、㈱フードウェイ(福岡県福岡市、後藤圭介代表取締役社長)のフードウェイ佐賀モラージュ店。同店食品部の田島優樹氏は「2年前、佐賀大和店勤務時代にグランプリを受賞していたので、まさか2度も受賞できるとは思っていませんでした。とても光栄です。ありがとうございました」と語ってくれた。
同店は、映画館も併設されているショッピングモール「モラージュ佐賀」の1階という立地。そのため、若い世代の来店も多い。「Party Drinkコースへの参加でしたので、若い来店客にもアピールできるハロウィンパーティーをテーマにしました」と田島氏。さらに、「令和=霊和」という語呂合わせと、その漢字のイメージから日本風の幽霊をかわいらしくイラスト化し、POPにするというアイデアを生かした。
陳列商品も、若者に人気のペットボトルタイプの紅茶やコーヒーをラインアップ。さらに、ハロウィン限定パッケージを採用した菓子類も陳列し、関連販売を実施した。この効果は高く、注目率と売上をアップすることになった。
「いかにお客さまの目と足を止めるかを考えた」(田島氏)という売場。今回のディスプレイコンテストで陳列したUCC商品は、終了後に定番棚に戻ってもリピーターが生まれる商品になり、売上も好調に推移しているという。
店内活性化に売場演出を活用
㈱フードウェイは、現在22店舗。福岡県を中心に関東圏にも店舗を展開している。食肉小売業からスタートし、スーパーマーケット事業にも進出してきた経緯から、生鮮品や総菜品には強いこだわりを持っている。
フードウェイ佐賀モラージュ店は、さまざまなテナントが入っているショッピングモール内にあることから、商圏は広く、来店客の年齢層も幅広い。そのため、しっかりと商品をわかりやすく訴求することが必要となっている。そして、興味を引く売場を展開し続けることである。そのバックボーンとなるのが、マンネリ化しない売場づくりである。
毎月、エンドや催事スペースにおいて、季節感や歳時を反映した売場づくりを実施している。さらに、顧客の嗜好や属性別の売れ筋商品をセレクトし、提案することで、幅広い層にも対応できる売場づくりを意識している。それに加え、さまざまなディスプレイコンテストにも参加するなど、店内の活性化に注力している。
このように、売場演出を重視しているため、顧客からは「今度は、どんな売場をつくっているの」と陳列作業中に声をかけられることが多いという。「もともと、美術や絵に才能があるわけでもなく、得意でもなかった」と語る田島氏。仕事をしていくなかで、来店客に楽しい買物をしてもらおうと取り組み続けたことで、オリジナルPOPづくりが好きになり、向上したという。
「UCCからは、いろいろなアイデアをもらえたり、バックアップをしてくれるのでコンテストに参加しやすい」と話す田島氏。
今春、他店に異動が決定しており、「今回のディスプレイコンテストの全国グランプリ受賞で、異動前の有終の美を飾ることができました」と語ってくれた。