売場づくりのポイントはコトPOP！商品への思いが伝わる売場づくり

来店客の心をつかむ仕掛け

毎日の暮らしの中で活用してもらえるように、商品提案やメニュー提案、そして利便性を重視した品揃えで、地域の消費者に利用されている滝沢店

今年の春に実施された東洋水産の「香ばし麺がおいしい！パリパリ無限シリーズディスプレイコンテスト」において、ベジタブル・アイデアコースのグランプリを受賞したのは㈱マイヤ（岩手県大船渡市、井原良幸代表取締役社長）の滝沢店である。店長の工藤孝志氏は「昨年は入賞できましたが、まさかグランプリを受賞できるとは考えていなかったので、驚きです。担当スタッフや青果担当など、みんなの協力があっての結果だと思います。とてもうれしいです」と話す。

売場は、入口正面の青果コーナーで展開。「『パリパリ無限シリーズ』は陳列場所を選ばない商品。常温保存のメリットを生かして、関連販売のインパクトがある青果コーナーに売場をつくりました。青果部の協力が大きかったと思います」と工藤店長。

昨年入賞の売場づくりを基本に、さらにレベルアップをするために、コトPOPやメニュー提案POPを充実させることを考えた。副店長兼グロサリーチーフの菊池光輝氏は「商品の特徴や私たちがお薦めする理由などを伝えることができ、注目度が高まり、購買促進につなげる効果を発揮できるのがコトPOPです」と話す。

今回も「お母さんの強い味方」や「チャチャとつくって」「うまい！かんたん！」など、簡潔なフレーズのコトPOPが並ぶ。

関連販売と商品の取りやすさ、そして主婦の目線に合わせた目立つ陳列技法とコトPOPで、売上の高い売場となった。

地域の消費者の暮らしを応援

左から、店長の工藤孝志氏、売場担当の伊藤豊子氏、副店長兼グロサリーチーフの菊池光輝氏と、東洋水産㈱ 東北支店 盛岡営業所の山田大雅氏

㈱マイヤは、岩手県を中心に18店舗の食品スーパーマーケットを展開している。高齢化が進む地域にあって、滝沢店は近隣に小学校があることからファミリー層の顧客が比較的に高いことが特徴だ。

工藤店長は「毎日の暮らしで活用してもらえる店をテーマにしています」と話す。“ちょっといいもの”や“ちょっとおいしいもの”など、日々のおいしさや便利さを提案することで、地域に密着した店づくりを行っている。

たとえば、キャベツ1/4個や大根1/3本など、適量や小分け商品をラインアップすることで、家族構成や料理に合わせて無駄なく使い切ることができると多くの顧客から好評を得ている。

また、会社としてコトPOPにも力を入れている。販促のポイントとなるとの考えから、4年ほど前からコトPOPづくりの講習会を実施。全店の担当者が参加している。今回のコンテストでも、その効果は発揮されている。売場担当の伊藤豊子氏は「店長からコトPOPの訴求ポイントを教えてもらい、それをヒントに、主婦の感覚や料理の困りごとなどの実感をプラスしたフレーズづくりを行っています」と語る。

さらに、市役所と医師、そして企業が協力して実施している「認知症になっても住みやすいまちづくりプロジェクト」の一環である「スローショッピング」にも参加。高齢者にも買物を楽しめる活動で、地域に貢献している。

「来店することが楽しく、食の提案がある店づくりをテーマにしている」と語る工藤店長。次回もグランプリ受賞を目指して参加したいと意欲を語ってくれた。