トリックアートと総選挙のアイデア 見て楽しい参加型売場づくりを実施
驚きや感動が生まれる売場
今年の春に実施された東洋水産「香ばし麺がおいしい! パリパリ無限シリーズディスプレイコンテスト」において、ボリュームコースのグランプリを受賞したのはマックスバリュ東海㈱(静岡県浜松市、作道政昭代表取締役社長)のマックスバリュ函南店である。売場づくりを担当した副店長の弓田まり子氏は「お客さまを驚かせたい、感動させたいと思いながら取り組んだ売場で、最高の評価をいただけて、とてもうれしいです。昨年に続いてのグランプリ受賞ですので格別な喜びです」と語ってくれた。
ゴールデンウイークに展開した売場のテーマは「子供の日」。折り紙型の鯉のぼりや兜などのオリジナルPOPで演出されたディスプレイの中でも、商品陳列の技術で兜が浮かぶように見えるトリックアートが目玉である。その効果は、携帯のカメラ越しに見ることで、より感じることができる。「お客さまに好評で、ほとんどの方が携帯を持って立ち止まってくれました」と弓田副店長※。
売場に立ち止まると、次に「無限総選挙」に引き込まれる。「パリパリ無限シリーズ」6商品をフルラインアップし、それぞれの特徴を訴求するPOPを設置。投票箱も設置されている。
「無限総選挙」は、食べ比べをしてみたくなるようなアイデアのある販促で、複数購入に結びつく効果を発揮している。
このような見て楽しい、参加型の展開によって、売上は大きく伸びる結果となった。
本物の地域密着を追求
マックスバリュ函南店は、「地域の『食』を支えるとともに、コミュニティの中心となる、なくてはならないお店」を店舗コンセプトに、昨年の5月にリニューアルを実施。地物商品(地域商品)を拡充し、季節感のある売場展開をより一層充実させている。
その中心的な役割を担っているのが、同社の店舗ごとにある「コミュニティ委員会」である。地域特性を理解するコミュニティ社員(パートタイマー従業員)がメインとなり、「お客さま視点」で「期待を感動に変える」をテーマに店舗運営活動を行う組織である。
店長の鈴木久氏は「当店でも、地元の人気商品を発掘したり、それを利用した商品を開発するなどコミュニティ社員の貢献度は高く、当社の中でも、評価されています」と話す。同店の顧客は、ファミリーなど若い層が多いこともあり、売場がマンネリ化しないよう常に新商品や話題の商品へのアンテナも張っている。
さらに、弓田副店長は自らレジに立つことで、「お客さまが何を買っているのか、どのような傾向の商品を好んでいるのかのチェックは欠かしません」と話す。
コミュニティ委員会の活動と、日々の営業の中から、消費者の好みや嗜好の変化、消費動向などを見逃さず、取り入れることで、本当の意味での「地域密着」の実現を追求している。
野菜をおいしく手軽に味わえる「パリパリ無限シリーズ」は、紹介する価値のある商品。「アイデアのある楽しい売場で、次回もコンテストに挑戦して、お客さまに楽しんでいただき、3連覇を目指したい」と鈴木店長は抱負を語ってくれた。