省スペースだから演出力で各店がチャレンジアイデアで来店客の心をとらえる売場づくり
来店客に響く売場づくり
今年の春に開催された宝酒造の「2019・春 松竹梅 白壁蔵『澪』スパークリング清酒ディスプレイコンテスト」において、企業コースの最優秀賞を受賞したのは、㈱ビック・ライズ(神奈川県横浜市、中嶋哲夫代表取締役)である。同社バイヤー兼ブロック長の飯泉禎浩氏は「省スペースでの全店展開だったので、企業賞は難しいと思っていました。最優秀賞の受賞は本当にうれしいです」と喜びを語ってくれた。
「澪」は昨年、一昨年と扱っており、「好調な売上だったので、ディスプレイコンテストに参加しよう」(飯泉氏)ということになった。
各店舗のスペースは、それほど広くないこともあり、スペースを大幅に使用する大量陳列などはできない事情がある。そこで、陳列技術を駆使したり、アイデア勝負での参加である。
今回も、高級感を演出する布を活用したり、POP類を効果的に使用し、什器を組み合わせることで視認率の高い売場づくりを行っている。「お客さま目線を重視して、興味がわく売場になっているか、購買意欲をそそることができる売場になっているかを判断しています」と飯泉氏。
店舗の負担にならないように本部が配慮をし、協力し、その中で、各店の演出力や陳列技術を発揮できるような環境づくりを行っているという。
販売促進の施策として活用
㈱ビック・ライズのはじまりは、街の青果店であった。1986年に食品スーパーマーケットへと転身した。現在は「食品館あおば」として、神奈川県に28店舗、東京都に4店舗の合計32店舗を展開している。
青果店の時から受け継がれ、重視していることが、地域の消費者のためにある店であるということ。そのため、「鮮度」「価格」「接客」の3本柱を掲げ、実践することで、顧客に愛される店として成長を続けている。
販促としては、月1回のチラシがメーンである。その際に、今回のようなディスプレイコンテストを連動させて、集客や売上確保を行っている。また、来店客へのメニュー提案となるクロス販売も施策として展開している。
「お客さま第一主義を掲げて展開している企業ですので、お客さまが求めているものを品揃えするのはもちろんですが、商圏内のお客さまに提案する価値がある商品は、積極的に紹介していきたいと考えています」と飯泉氏は語る。
その際、定番棚に商品を揃えるだけでは、来店客に認知されにくいことから、ディスプレイコンテストを商品紹介・提案の機会として活用している。
「宝酒造さんには、協力をいただいていますので、コンテストの参加は続けていきたい」と飯泉氏は話してくれた。