パートナースタッフが得意分野を生かし活気と独自性のある演出に成功
売場の発信力強化に向けて演出や独自の販促物を重視
いちい須賀川東店店長 泉裕司さん(中央)、同店デイリーチーフ 海老原靖典さん(右)、テーブルマーク(株)東北支店家庭用販売課主任 原辺三佳さん(左)
福島県内に13店のスーパーマーケットを展開する株式会社いちいでは、全社の方針として、店頭からの情報発信を重視。オリジナル性の高いPOPやボードなどを手づくりし、販促を強化している。
各店は規模や立地が異なるため、大陳コンテストへの参加は店舗ごとに判断しているが、今回、店舗賞グランプリを獲得した須賀川東店の泉裕司店長は、「当店の場合、提案があればできる限り参加していこうというのが基本スタンス。実際にアイデアを考え、陳列を行うのはパートナーさんですが、みんな楽しんで取り組んでいます」という。
また同店・デイリーチーフの海老原靖典さんは「買物のあり方は多様化しており、ネット通販でさまざまなものが手に入ります。そうしたなかで店舗に来ていただくためには、新しさ、楽しさを提供し、親子、祖父母と孫など、各世代にアピールする売場づくりが重要。大陳コンテストに限らず、独自性のある売場演出はそのために有効な手法のひとつだと考えています」という。
同店で実際に陳列を行うのは女性のパートナースタッフ。店長やチーフは、力仕事があれば手伝う程度だという。「 競争環境が厳しいなかで、 5年ほど前から陳列への取り組みを強化してきました。パートナーさんの力を最大限に生かし、“好きなことを仕事にする”という方針に沿って、発信力のある売場づくりをめざしています」(泉店長)。
その結果は業績や各種コンテストでの受賞実績に表れるだけでなく、社外取引先からも活気のある店舗として高く評価されているという。
来店客の関心を集めるこだわりの造形物
いちい須賀川東店
今回の陳列について海老原さんは、「まずさまざまな種類の商品があるので、その見本をつくり、お品書きやのれん、提灯などを下げた屋台風の演出を行うことで、商品のバリエーションを紹介し、食べ方提案を行うことをテーマとしました」という。
サンプルとして制作したうどんの麺は、グルーガンの接着剤を冷水に落として固めて作成。立ち上る湯気を綿で表現するなど、細部の造形にもこだわっている。「 すべてパートナーさんのアイデアで、作業も手分けして行っています。手芸が得意な人など、それぞれ得意分野があるのでそれを生かしたかたちです。造形物やキャラクターなどがあると、お子様が興味を持って触りたがりますが、その結果、お母さんの目を引く効果も出てきます」(海老原さん)
大陳の反響は大きく、冷凍うどんの売上実績は例年同時期と比較して3倍程度に成長。泉店長は、こうした結果を着実に出していくことが、スタッフのモチベーション向上にもつながるという。
泉店長は「一人ひとりのスタッフが“輝いている”職場にしていこうというのがいちいの方針で、文化にもなってきています。今回、受賞の知らせを聞いたパートナーさんが“やったー”と喜んでいるのを見て、私も店長としてうれしかったです」と語る。
また海老原さんも、「パートナーさんはそれぞれ家庭がありますが、私が子供の立場だったら、お母さんが元気いっぱいで仕事に行き、“輝いて”いるのを見ると、誇らしいと感じると思います。そうした職場環境を実現していくことも私の役割だと思っています」という。