従業員の自信と顧客の笑顔につながる売場づくり目指す
世田谷の客層を掴む地域一番の繁盛店
(株)オオゼキ 右)上町店店長 小川敏郎氏 左)デイリー部門 渡邉和樹氏
2018年秋に実施されたサントリーの「Halloween2018 ディスプレイコンテスト」のスピリッツ統合(瓶・缶)コースにおいて、グランプリを受賞したのは、(株)オオゼキ(東京都/石原坂寿美江会長兼社長)のオオゼキ上町店である。オオゼキは店舗の従業員に大きな裁量を持たせた「個店主義」のビジネスモデルで知られる、1957年創業の食品スーパー(SM)チェーンだ。現在は東京都を中心に神奈川県、千葉県に計40店舗を運営する。
上町店は東急世田谷線「上町」駅から徒歩1分の駅前に位置。売場面積は約1600㎡と同社の店舗の中では最も広く、客層も20・30代のファミリー層からシニア層まで幅広い。週末には44台の駐車場がすぐに満車になるという地域一番の繁盛店だ。特に現在は、近隣にある1号店の松原店が改装中ということもあり、松原店の古くからの常連客も呼び込んでいるという。
オオゼキは顧客の声を取り入れたその店ならではの品揃えが特徴となっている。特に青果をはじめとした生鮮食品への評価は高く、生鮮3品の売上構成比は非常に高い。
従業員自ら楽しんで作る売場
今回のコンテスト受賞売場は、酒売場正面のレジ横にあるプロモーションコーナーで展開された。上町店の小川敏郎店長は「広い店内を生かした新たなプロモーションコーナーを創りたいと18年2月に新たに導入した。週1回程度の頻度で内容を変えており、全部門が協力し、従業員自ら楽しんで売場を作っている。お客さまからも非常に評判が良く、売場の写真を撮ってSNSにアップされる方もいる」と話す。
今回のディスプレイコンテストについて、コンテストを意識するというよりも、いかにプロモーションコーナーを盛り上げるかという視点から売場を構築した。ハロウィン仕様のラウンドシートや、「ジムビーム」のイメージキャラクターであるローラさんのスタンドやポスターを生かしつつ、ハロウィンらしいカボチャのモールなどを使って華やかに飾った。壁面に沿った売場ではないため、立体感のある陳列と天井から下げたポスターやモールで視認性を高めている。
同店の売場で欠かせないのが、デイリー部門の渡邉和樹氏による手作り販促物の数々だ。POP作成を独学で学んだという渡邉氏は、担当部門だけでなく他部門のPOPやプロモーションコーナーの販促物も担当。プロモーションコーナーについては、毎回告知ポスターも作成しており、来店客から好評を得ている。
「プロモーションコーナーの存在は従業員のモチベーションアップにつながる大切な売場。腕を磨き自信がつくことで他店舗に異動した際にも役立つ」と小川店長。今後も従業員の自由な発想を生かした売場づくりで、お客さまに喜んでもらいたいと抱負を語っている。
立体的に積み上げた瓶・缶類と共にハロウィンらしいオレンジ・黒を基調とした華やかなディスプレイ