商品特徴や情報をしっかり伝え購買喚起を促進した売場
冷ケースを移動して陳列
左から、イオン北谷店のグロッサリー担当主任の藤木統彦氏、食品販売課長の當間通憲氏、沖縄サントリー(株) 営業1部2課 マーケティングパートナーの新垣里美氏
今年の5月に実施された「サントリー 金麦グループ ナイス ディスプレイコンテスト」において大陳コースの最優秀賞を獲得したのはイオン琉球(株)(沖縄県島尻郡、佐方圭二代表取締役社長)のイオン北谷店である。売場づくりを担当したグロッサリー担当主任の藤木統彦氏は「最優秀賞受賞と聞いてビックリしたというのが本音です」と語ってくれた。今年の3月に異動で同店勤務となった直後に参加したコンテストで、初めての全国1位という快挙であった。
入口すぐのメーン通路に面した催事スペースという目立つ場所での展開を実施。金麦発売10周年やあいあい皿プレゼントキャンペーンをしっかりと訴求するとともに、冷ケースを移動して、すぐ飲める冷えた金麦をラインアップすることで、購買意欲を刺激している。「沖縄では、冷えていて、すぐに飲める商品が求められる」(藤木氏)ことから、冷ケース陳列を取り入れた。また、ビーチが近い商業施設の立地であるため、冷えた単品購入が多いことも考慮した陳列を実施している。
大型タペストリーを配した売場は、インパクトがあり、ボリューム感のある陳列とともに、売場自体の訴求力もある。さらに、オリジナルPOPを採用することで、商圏特性に合わせた商品特徴や情報提供が可能となる。それとともに行う商品提案によって、売上アップにつなげることができる。
幅広い客層に対応した販売
大型ショッピング施設「美浜アメリカンビレッジ」内にあるイオン北谷店
イオン北谷店は大型ショッピングセンター「美浜アメリカンビレッジ」内に立地している。周辺は新興住宅地でもあり、新しいマンションが多くあることから、30〜40歳代のファミリー層が増えているエリアである。シニア層も含め、幅広い年代が商圏内のターゲットとなっている。
また、近くにはビーチもあり、宿泊施設などが隣接している。そのため、近隣消費者の利用だけではなく、日本人旅行者のお土産需要やインバウンド需要などの対応が求められる独特な店舗でもある。実際に、2年前の改装によって、お土産売場やH&BCの売場は、拡張されている。
食品販売課長の當間通憲氏は「それぞれの来店者に伝わるような売場づくりと商品提案は、不可欠な要素となっています」と話す。
藤木氏とともに、今年の3月に異動してきたばかりの當間氏は、今回のコンテストでは、この特殊な来店客に訴求できるように、家庭需要と旅行者需要などを意識したという。商圏特徴を意識した売場づくりとインパクトのある演出の相乗効果で、今回のコンテスト参加では、売上アップを達成できた。
店舗のスペースの問題で、大陳コンテストへの参加は難しい面もあるが、売上アップという効果が実感できるコンテスト参加は、有意義であることが再認識できた。「スペースの都合がつき、タイミングが合えば、ぜひ、コンテストに参加をしていきたい」と藤木氏と當間氏の二人は、今後の抱負を語ってくれた。