酒専門店としてインパクトのある売場づくりは譲れない!
オリジナルにこだわる売場!
今年の1月~2月に開催された「サントリー 金麦グループ ナイス ディスプレイコンテスト」において、大陳コースの最優秀賞を受賞したのは㈲メガテン(長野県飯田市、熊谷仁志社長)の松川店。売場づくりを担当した店長の水野陽文氏は「2年前に最優秀賞を受賞し、前回は連続受賞とならず、リベンジというか、もう一度、最優秀賞をとることを目標に参加したので、格別な喜びがあります」と語ってくれた。
迫力のひな壇型の大量陳列を展開。そこに設置されている大型トップボードなど、ほとんどのPOPはオリジナルである。
オリジナルPOPは、店のスタッフや本部の協力を得てつくっているが、どのような文言を採用するかや、デザイン的な部分は水野店長が考えて指示を出している。さらに、商品の陳列も店長が行っている。「仕事の合間に売場づくりを行っているので、完成までに2~3日かかってしまうが、最後の微調整は、自分ひとりで行ったほうが納得でき、オリジナリティーのある売場にできる」と水野店長は考えている。
「自分では、ひな壇がいちばん美しい陳列だと思っているので、そこにこだわりがあります。しかし、きれいに商品を積んでしまうと、お客さまがそこから商品を取ってくれなくなることが、ちょっとした悩みです」と語る水野店長は、陳列を少し崩して、気軽に商品を手に取れる工夫をしている。
地域に貢献できる店舗に!
メガテン松川店がある下伊那郡松川町は、「くだものの里まつかわ」としてPR をしており、農家が多い地域である。農作業終わりに軽トラックで立ち寄って、仕事終わりの一杯のための酒類を買い求める顧客が多い。高齢化が進んでいる地域でもあり、新しいものというよりも、慣れ親しんだ商品を購入する人が多いのも特徴である。
しかし、水野店長は、顧客に喜ばれそうな商品は、積極的に紹介するようにしている。「酒の専門店として、顧客の好みは把握しています。その好みにあった商品を紹介することで、疲れを癒やすひとときを、より楽しく、おいしい時間にしてもらいたいと思っています」と語る。
お酒とともに楽しめる食品やおつまみも取り揃えている。ネット上の有名通販サイトで人気が高く、店長やスタッフが食べておいしいと思った商品を仕入れ、品揃えをしている。「年配の方が多く、パソコンやネットに縁のない方が多い地域。ネットでしか購入できない商品を取り寄せて、紹介しています」と水野店長。地元の人に喜ばれ、貢献できる店をめざしている。
メガテンは、酒造メーカーや食品会社の協力を得て、年に一度「酒まつり」を開催。県内の飲食店関係者や、お客さまを無料で招待して、試飲や試食をしてもらい、「展示卸売会」として、地域のみなさまや企業、飲食店に役立つ場を設けている。全国的なコンテストに参加してまだ3年ほどという水野店長。「参加することが、自分の成長の証しにもなるので、継続的に参加をしていきたい」と話してくれた。