オリジナルキャラクターを制作して特長や成分をわかりやすく、楽しく訴求
グランプリをめざす強い意気込みで参加
「昨年に続く2回目の参加で、今年こそ、ほかでは真似できない演出をして、グランプリをめざしたいという強い意気込みで取り組みました。受賞の知らせを聞いて、ほんとうに光栄でありがたいと思います」と喜びを語る同店パートの今井奈美香氏。
今回の陳列の中心テーマは、5種類の成分を配合した殺虫殺菌剤「ベニカXネクストスプレー」。5種類の成分をわかりやすく紹介する手法として、「スーパー戦隊」風のキャラクターを使うことを思いついた。
5種類の成分を、野菜や花き、樹木類などの適用作物になぞらえたキャラクターデザインを設定。画像やコメントなどもあしらったオリジナルボードを自作した。
「売場全体としては、わかりやすく、楽しい演出で、お客さまの笑顔を誘い、商品を手に取ってもらいやすい雰囲気にしたいと思っていました。ただ、有効成分の説明などは、言葉で表すと難しい印象になってしまうので、どうしたらいいか考えていました。ちょうど5種類だったので、5人の戦隊キャラクターにしようとひらめいた時は、これだ!と思いました」(今井氏)。
切り抜きで立体的に制作したキャラクターのほか、背景などにあしらった野菜などの写真は、店舗スタッフが撮影したオリジナル画像を使用し、また別のスタッフが毛虫キャラクターの制作などで協力。サイドには、スポーツ新聞の号外風デザインのPOPで、お客さまの目を引くなど、細部に至るまでありとあらゆる工夫がなされた演出を実現した。
キャラクターを使った動画も自作して放映
出来上がった陳列を初めて見た副店長の櫻井頼生氏は、「いきなり完成度が高い大陳ができているという印象でしたが、その後もほかのスタッフの意見などを取り入れて改良していき、グレードアップしました。お客さまの反応もよく、同期間の単品の売上実績で前年比150%程度まで伸ばすことができ、ディスプレイの効果を実感しました」と言う。
同じく副店長の中尾朋彦氏は、「私がちょうど当店に配属された時期で、出来上がったタイミングで陳列を見ましたが、率直な感想として“おもしろい”、さらには“すごいな”と感じました。やはり同じ店で働くわれわれ自身が見て、圧倒的なインパクトを感じる演出だからこそ、お客さまにも伝わったのではないかと思います」と語る。
今井氏は、「私が陳列に時間をとることができるのも、従業員みんなの協力があってこそですし、ある程度自由にやらせてもらっているという環境にも感謝しています。私自身は、苦労や大変さというより、本当に楽しんで取り組めているので、みんなの力で結果が出せたことは、本当にうれしく思います」と言う。
今回の陳列に絡んでは、制作したキャラクターをさらに活かそうと、これを使った動画を制作し、店舗のモニターディスプレイで放映した。「動画編集アプリを使うと、比較的簡単に動画を作れるので、住友化学園芸さんとも相談して、了解をいただいた上で動画作成しました」(今井氏)。
絶妙なアイデアだけでなく、日頃からの情報収集やさまざまな技術を最大限に活かすことで、見事な受賞陳列を実現している。