ブランドの世界観を存分に表現して見事グランプリを獲得
定番展開時と比べて約2倍の売れ行きに
2024年8月1日から31日までを期間に開催された「BOMBAY SAPPHIRE(以下、ボンベイ・サファイア)ディスプレイコンテスト 2024」のブランド世界観コースで見事グランプリを受賞したのは、酒のスーパータカぎ松本店。売場づくりを担当した長井省吾店長は「グランプリをめざしていましたが、まさか本当にいただけるとは思わず、驚きました」と喜びの表情を見せる。
入口すぐの場所にある催事スペースでディスプレイを展開。主通路沿いの目立つ場所において、商品を強くアピールした。
「ボンベイ・サファイア」は、長年、愛されているプレミアムジンの世界的ブランド。レモンピールやジュニパーベリーをはじめ厳選された10種類の植物由来原料を使用、すっきりした味わいながらスパイシーな口当たりが特徴だ。
ディスプレイは、爽やかな青をベースに飾りつけた売場に「ボンベイ・サファイア750ml」「同 1000ml」「同 プレミアクリュ700ml」を陳列し、上質な世界観を表現した。
さらに「厳選された10種類のボタニカル」「世界No.1」「プレミアムジン」といったキャッチコピーを記した表示物を掲示。「ジンソーダ」や「オレンジブロッサム」など、代表的なカクテルの作り方を紹介するPOPを添え、ジンに馴染みのない層の取り込みも図った。
ディスプレイの大きさは横5m×高さ3m。迫力ある売場の前で立ち止まったり、スマホで写真を撮影したりする来店客も多かったという。
注目度は高く、どの商品も定番売場で展開している時と比べて約2倍の売れ行きに。予想以上の動きに長井店長は手応えを感じたようだ。
価格以外の価値を訴求で競合店との差別化図る
酒のスーパータカぎは、長野市に本部を置く酒の専門チェーン。2024年10月現在、北信エリアに14店、東信7店、中信4店、南信5店の、合計30店を展開する。
長野県は地域によって食へのニーズが大きく異なると言われる。酒類も同様で、たとえば松本店がある中信エリアでは、強い酒が好まれるのに対し、長野市など北信エリアでは弱めの度数が支持されるといったような違いがあるという。
その中で、同社では各店各様の店づくりをする方針だ。店長には地域ニーズに応じた品揃え、売場を工夫できる裁量が与えられており、地元密着型の店舗運営を行う。ワイナリーが多いことで知られる塩尻市と近い松本店では、ワインを多く扱うなど特徴を出して人気を集めている。
ただ、同社の商勢圏の各地では、酒類も充実を図るドラッグストアやディスカウントストアといった価格訴求型の業態が台頭、競争が激化しつつあるのが現状だ。
こうした厳しい状況にあり、ディスプレイコンテストに参加する意義について、長井店長は次のように説明する。「売場づくり、陳列を工夫することで、豊富な品揃えや選ぶ楽しさなど価格以外の価値を訴求できるのがもっとも大きなメリットだと考えています」
長井店長は、今後もディスプレイコンテストにエントリーする考えだという。「競合店にはできない演出で、お客さまに喜んでいただきたい。そして次回もグランプリをねらいたいと思います」と意気込みを見せた。