すべてオリジナルの販促物を駆使し来店客の目を引きつける迫力ある陳列
スタッフの経験と技術で多くのコンテストに参加
㈱ホクノーのちびホク厚別5条店は数多くのディスプレイコンテストでグランプリを獲得してきた受賞常連店。小規模な店舗ではあるが、商品を際立たせ、顧客の目を引きつける独特の陳列技術で高い評価を受けている。2020年は、年間50回ほどの大陳を実施。売場は常に活気にあふれている。
通常2か所の大陳スペースをフル回転させているが、陳列期間終了後に残った商品がある場合は、別のエンドに移動して演出を続けるなど、しっかりした業務のサイクルが確立している。
こうした作業を中心となって担っているのが同店店長の泉伸一氏。加えて数人の経験豊富なスタッフが、同時に何件かの陳列を担当し、通常業務の合間を縫って、手分けをしながら作業を行っている。
どうしてこれほどまで熱心にディスプレイコンテストに取り組むのか。その点について泉店長は、「まず付近の大型スーパーと比較して当店は古くて小さいし、普通に品揃えを行うだけでは勝てません。お客さまから見て、同じ商品で同じ価格でも、“ここで買いたい”と思ってもらえるような店の特徴を打ち出したかった」という。
毎回の大陳については常連客から注目され、楽しみにされているため、作業中もよく声をかけられる。来店客を驚かせ、楽しませることも、店舗の性格を際立たせることにつながる。
同時に意識しているのは、リピーターにとって便利な店であることだ。時には店に顧客から電話かあり、「家族がそちらに向かっているはずだが、買ってきてほしいものがあるので伝えてほしい」などと頼まれることもある。顧客とスタッフがお互いに顔を見知っているからこそできることだ。
「ノンオイル」の特徴をわかりやすくアピール
今回、理研ビタミンのコンテストでは、主通路の突きあたりに位置するチルドケースと多段什器を使用して、「ノンオイル」と「わかめスープ」を中心に展開した。商品のカラーリングを生かした全体のデザイン構成は主に泉店長のアイデア。
天井まで届く巨大なボードや、思わず目に入ってしまうフロアディスプレイなどの販促物は、B4用紙を貼り合わせてラミネート加工するなど、すべて手作り。商品写真やキャッチなどもプリンターで印刷したものを切り貼りして制作している。
スタッフの一人である桜田直美さんは中心メンバーの一人。「細かい画像などのカット作業は、レジに入りながら行うので、もともと少人数のシフトということもあり、毎日忙しいです」という。
同じく天野幸子さんは「みんな慣れているとはいえ、同時に複数の企画に携わっているので大変です。この店には暇な人はだれもいないと思います」と笑う。
チルド什器の左右のボードには商品をアピールするコメントを入れた。泉店長は「いつもここのコメントを作るのに苦労しています。自分で商品をよく調べ、理研ビタミンさんの『ノンオイル』のヘルシーさや、さまざまなメニューにアレンジできる汎用性の高さなどが伝わるように工夫しました」という。メーカーが消費者に訴えたいことについても、できる限りくみ取って表現するようしている。
またサイドの什器のアーチ部分には細かい商品画像を無数にあしらうなど、よく見ないとわからない部分にまで配慮が行き届いている。
今年はコロナ禍の影響がある中で、ふだん以上に来店客の気持ちが明るくなるような演出をこころがけた。その結果、陳列中から売れ過ぎて、商品を追加発注するほどの好評を得ることができたという。