子供目線の楽しい売場でグランプリ
通常より2倍売れた商品も
店長の髙橋美貴氏(左)と、コープえひめMD改革チーム畜産担当の野本小百合氏(右)
2018年秋に開かれた「プリマハム ハロウィンパーティ ディスプレイコンテスト」で見事、グランプリを獲得したのは生活協同組合コープえひめのコープひさえだ店である。売場づくりを担当したコープえひめMD改革チーム畜産担当の野本小百合氏は「まさかいただけるとは思っておらず、今も信じられない気持ちでいっぱい」と喜びを表現する。
ディスプレイを実施したのは、10月9日から同22日までの14日間。主通路沿いに設置している畜産部門の冷蔵平台で売場をつくった。多くの来店客の目に触れる場所で、強く商品をアピールした。
「香薫あらびきポーク」「香りの物語 味わいスモーク」「十勝グルメの便りロース生ハム」などのプリマハムの主力商品を、ボリューム感を持たせ陳列した。さらにチーズフォンデュ、ロールパンのベーコンサンド、スパゲティナポリタンといった、野本氏による調理見本を添え、ハロウィンらしいメニューを提案した。
ディスプレイのポイントとねらいについて野本氏は次のように説明する。「黄色とオレンジ色を多く使って、ハロウィンらしい雰囲気を演出したいと考えた。とくに子供目線の楽しい売場となるよう意識した」。
店内でも目立つ場所において展開したため、来店客からの注目度は高かった。売場の前で立ち止まる人が多かったほか、なかでも子供からの評判は上々だった。壁面の定番売場で販売していた時と比較して約2倍売れた商品もあり、同店では手応えを得たようだった。
魅力的な売場を目指して
14年7月にリニューアルした生活協同組合コープえひめのコープひさえだ店
コープえひめは、共同購入・宅配事業のほか愛媛県内に13店を持ち、各地で組合員からの強い支持を獲得している生協である。ただ商勢圏においては競争が激化しているのが現状だ。とくに近年、同業態の食品スーパーだけでなく、食品を積極的に扱うドラッグストア(DgS)、ディスカウントストアといった異業態の存在感が増している。
今回、グランプリを受賞したコープひさえだ店の周辺も例外ではない。至近に地元企業の有力SMがあるほか、18年10月には青果や精肉といった食品の扱いがあるDgSが、北側に隣接する場所に新規オープンしている。
厳しい環境の中でコープえひめが取り組むのは、新たな品揃えと売場である。コープひさえだ店も14年7月にリニューアルにより店舗を刷新、さらに生協全体の方針でもある『見せる売場づくり』をテーマに取り組みを強化している。
今回、中心となってディスプレイをつくった野本氏が所属するMD改革チームも、同様の方針のもと、日々、魅力的な売場をめざして試行錯誤を続けている。
そのなか、コンテストに参加する意義について、コープひさえだ店の髙橋美貴店長は「イベントや季節に合わせた売場をつくることで、価格とは別の価値を訴求できる。現在、当生協がテーマに掲げる『見せる売場づくり』を実践するための手法として活用していきたい」と話す。
今後も、コープえひめではディスプレイコンテストに参加する考えという。野本氏は「さらに楽しい売場で、組合員さまの満足度を上げていきたい」と意気込みを口にする。