デジタルサイネージも採用した わかりやすく訴求力のある売場
陳列技術で奥行感を創出
2023年8月〜9月に実施されたプリマハムの「防災の日 + Stock Dish ディスプレイコンテスト」において、グランプリを受賞したのは㈱ナリタヤ(千葉県印旛郡、菊川一平代表取締役社長)の印旛日本医大前店である。㈱ナリタヤのバイヤーである工藤隆之氏は「今回は3回目のコンテスト参加で、前回は受賞を逃したことからリベンジ参加です。受賞を信じて挑戦した結果がグランプリという最高の結果となり、このうえない喜びです」と語ってくれた。
通常は精肉売場で展開する商品を今回はグロッサリー担当者の協力を得て、店舗の一等地を含めた2カ所展開で実施した。「企画として売上が取れる大陳を、人気商品で実施することを説明し、納得していただきました」と同店精肉部マネージャーの堀田直哉氏は話す。
その大陳は、スペース的に奥行がないにもかかわらず、陳列技術によって、奥行感のある迫力ある売場として完成しており、視認効果が高まっている。さらに、POP類とともにデジタルサイネージを採用することで、注目率が高く、商品の特徴などをわかりやすくアピールすることに成功している。また、売れ筋のビーフシチューやハンバーグ、バターチキンカレーを中心に訴求し、注目を集めたこともあり、他のアイテムも好評となったことで、「売上は予想以上に伸びる結果となりました」と堀田マネージャーは話す。
食を通じて地域に貢献
㈱ナリタヤは、千葉県内に12店舗のスーパーマーケットを展開している。そのモットーは、食を通じて地域の消費者に支持される店舗づくりである。
今回のプリマハムのディスプレイコンテストも、おいしさとともに「防災月間」のアピールや万が一の時に役立つ食として、提案の価値があるとの考えから参加をしている。
堀田マネージャーは「今回の『ストックディッシュ』は、レンジアップ商品ですが、災害時はお湯で温めることが多いため、スタッフで湯煎による温めを試しました」と話す。その結果、おいしく温まる湯煎時間の目安をPOPにして、カセットコンロと鍋のディスプレイと一緒に訴求している。このように、顧客の暮らしのなかで役立つ情報や提案を積極的に発信しているのも同社の特徴の1つといえるだろう。
同店の来店客層は、高所得者も多く、新商品や付加価値のある商品への関心度が高い地域だという。
そういう意味からも、災害時の買い置き用に常温保存ができるローリングストック商品として、手軽においしいメニューが楽しめるという側面を持ち、暮らしに安心を提供できる「ストックディッシュ」は、人気の商品となっている。実際に、まとめ買いをするケースが多く見られたという。
「プリマハムの担当営業さんの協力を得ながら、今後もお客さまが楽しくなり、暮らしのヒントを提供できる売場づくりを行い、コンテストにも積極的に参加していきたい」と一堂語ってくれた。