オリジナルの巨大ボードを制作 遠くからでも目に付きやすい売場を展開
冷ケースをフル活用して大規模なスペースを確保
プリマハムの「香薫」シリーズの、発売20周年をテーマにした今回のコンテストで、みごとにグランプリを獲得した(株)Aコープ九州やまが店。同店は、JAグループの店舗ならではの国産生鮮食品が強みで、鮮度や品揃えにこだわっている。とくに精肉部門は売上の25%程度をしめる重要カテゴリー。大分県のブランド牛「豊後牛」のひとつである地元山香町で生まれ育った「山香牛」をメインに取り扱うなど地元産品に特に力を入れている。
今回の陳列では、ふだんの催事では使用しない規模の大きなスペースを確保し、大規模な演出を行った。担当の同店チーフ佐藤智典氏は、「前回『合格祈願』がテーマのコンテストにも参加し、いいところまではいったのですが、今回は絶対グランプリをとろう、という意気込みで参加しました。結果を聞いて大変喜んでいます。」という。
売場演出では、まず売場背面中央に、A3用紙でプリントアウトした販促物を貼り合わせてラミネート加工した自作のボードを掲示。ボードのサイズは縦120cm、横200cmという巨大なものだ。
このボードでは、「香薫」20 周年を盛大に祝う、というテーマを明確に打ち出すと同時に、プリマハムが制定し、日本記念日協会に認定されている5月9日の「香薫の日」もアピール。日付を「こう(5)くん(9)」(香薫)と読む語呂合わせから定められた記念日だが、佐藤チーフは、「記念日の認知度を少しでも高め、購買のきっかけにしていただきたいというねらいでメッセージを盛り込みました。」という。
このほか今回は、「香薫」の巨大POPを平台の側面にあしらい、売場を目立たせ、ブランドを強く訴求。高い位置にも腰巻用の販促物を掲げて、遠くからでも目に付きやすい、視認性の高い演出を実現した。
来店客に楽しんでもらえる陳列や提案をめざす
今回の陳列では、「香薫あらびきポーク2個束」と、最近動きのよい「香薫あらびきポーク 大袋」を中心とし、「香薫ステーキ」などを展開したが、販売実績も前年同期比で180%と伸長。大きな売場を展開しただけの実績を上げることができた。
同店店長の小屋英一氏は、「コロナの影響や価格競争など、運営は難しい環境にあるなかで、顔なじみのリピーターのお客さまにご来店いただいています。店としては、お客さまに対してできるだけ新鮮味のある提案をし、買物を楽しんでいただきたいと考えています。ディスプレイコンテストへの参加も、そうした機会のひとつとして重視しており、提案があれば積極的に参加しています。」という。
また佐藤チーフも、「大陳で販売につなげることも重要ですが、売場に変化をつけることで、お客さまに少しでも楽しんでいただきたいという気持ちが強いです。ふだんから他店の売場を参考にするなど、陳列の手法については研究しています。
コンテストの機会では、お客さまと接するなかで、従業員も声をかけられたりして励みになる面も大きいと思います。今回の陳列でも、お子さまづれのお客さまが、ボードの前に並べたプリマハムキャラクター『あらびき星人ソップリン』がかわいいと足を止めるなど、さまざまな反応が得られたことが、やりがいにつながっています。」と手応えを語っている。