アイデアや演出力が問われるから挑戦しがいのある平台冷ケース
目立つ売場づくりに挑戦
今年の1月15日から3月31日に実施された米国ポテト協会の「米国産ポテト ディスプレイコンテスト」の店舗コースにおいて、グランプリを受賞したのは㈱ウジエスーパー( 宮城県登米市、氏家良典代表取締役社長)の小野田店である。売場づくりを担当した店長の後藤孝雄氏は「グランプリを受賞できるとは思っていなかったので、驚きです。とてもうれしいです」と語ってくれた。
「今回のポテト商品は、冷ケースを使用する陳列なので、通常の大陳とは勝手が違うため、挑戦しがいがあると思い、参加を決めた」という後藤店長。いかに目立つ売場にして、来店客の購買意欲を高めるかをポイントにして取り組んだ。
離れたところからでも目立つように、オリジナルのフライドポテトPOPを作成。さらに、ポテトの特徴をアピールするPOPもつくり、興味を喚起し、購買につなげるアプローチが行われた。
ラウンドシートにも活用したボードは、フライドポテトの写真とアメリカ国土の形にした米国旗を組み合わせることで、米国産ポテトを訴求するこだわりのアイデアがある売場になっている。
関連販売を考えた精肉売場での展開とともに、冷ケースの右側にハンバーグ商品を陳列したことで、売上も好調であったという。オリジナルPOPによる訴求力のある売場づくりの結果である。
気づきのある売場づくり
ウジエスーパーは、宮城県で32店舗を展開している。その中でも、小野田店は中規模店舗であり、催事スペースを広く取ることはできない。商圏内は、高齢者の比率も高い地域である。「価値訴求型スーパー」をコンセプトにしている同社。
小野田店も、店舗状況や商圏特性に合わせ、いかに来店者が買物を楽しめる店になれるかを日々実践している。
できるだけエンドや大陳の売場づくりを行っている。さらに、地域の消費者にアピールできるように、オリジナルのPOPづくりを積極的に実践している。
後藤店長は「便利な商品や新商品など、お客さまに提案することは重要です」と語る。気づきを与えることで、楽しく、豊かな暮らしに少しでも役に立てることが同店の役割だと考えている。
今回、初めて取り組んだ米国産ポテトの大陳は、通常の4倍以上の売上となった。新型コロナウイルス対策の影響もあったと考えられるが、子供たちのおやつやハンバーグなどの料理の付け合わせとしての利用など、より多くの人たちがポテト活用法に気づいた結果だろう。
売場づくりの中でも、平台冷ケースでの大陳は、難しいといわれている。「だからこそ、挑戦の価値がある」と考える後藤店長。商品を積み上げることができないなら、どうするか。その答えを導き出すことが、やりがいになっている。
コンテストの参加は、スタッフの陳列技術や演出力の向上やモチベーションアップにつながることから、今後も、積極的に挑戦していく考えである。