陳列量だけに頼らない演出効果をめざすビジュアルマーチャンダイジングへの注力
床の視認性に着目
写真左から、グロサリー担当の木村翔氏、店長の平間直文氏、大塚製薬(株) 札幌支店 旭川出張所課長補佐の大懸隆人氏
今年の夏に開催された「2017・夏 ポカリスエットディスプレイコンテスト」の店舗コース大陳賞のスーパーグランプリを獲得したのは(株)道北アークス(北海道旭川市、六車亮代表取締役社長)のウェスタンパワーズ店である。売場づくりを担当したグロサリー担当の木村翔氏は「上位入賞を意識して参加しているので、スーパーグランプリ受賞は光栄です」と語ってくれた。
同店の陳列コンセプトは「水」。店長の平間直文氏は「人間の体は、ほとんどが水分でできている。健康維持や熱中症対策において、重要なものなので、水を意識した売場づくりを考えてもらった」と話す。
そこで、木村氏は「客動線を考えて、足元に注目。床にシートを敷くことで、視認率や立ち寄り率のアップを促進できる売場づくりを行った」とのこと。水のイメージに空のイメージをプラスすることで、夏の季節演出も同時に行っている。さらに、商品陳列にもこだわり、海の波打つような形状に並べられている。
平間店長は「視覚的要素による演出効果を重視したビジュアルマーチャンダイジングの考えを取り入れた売場づくりで、独自性を追求しています」と語る。
独自性のあるアピール
映画館や人気のファッション店舗などが入っているショッピングセンターであることから、集客力の高いウェスタンパワーズ店
(株)道北アークスは、旭川を中心に道北エリアに展開するスーパーマーケットチェーン。そのなかで「ウェスタン」は、圧倒的な品揃えと広域商圏を有している業態である。同店も、映画館をはじめ、こだわりのテナントが入っているショッピングセンターの核施設である。
広域から自動車で来店する週末型店舗である同店は、インバウンド重要も大きい。近隣に、旭川空港があり、人気の旭山動物園や「あさひかわラーメン村」と人気スポットもあることから、外国人旅行者が買物をする店舗となっている。
年齢層も幅広く、外国人観光客の需要にも対応するために、価格訴求に頼ることなく、品揃えとともに、商品アピールを重視している。大陳コンテストへの参加は、その施策となっている。
同店は、約2週間のスパンで、月2回ほど大陳を実施している。年間を通じて、売上が確保できるポカリスエットのように商品力がある場合は、コンテストに参加しやすいという。「熱中症対策の季節に大陳を行うことで、売上アップができるメリットは大きい」と話す木村氏。同店のオリジナル性にこだわった売場づくりへの挑戦は、今後も注目されるだろう。