店舗入口でお好み焼を提案、生鮮売場にも波及する販促に成功
日常的に楽しく買いやすい店づくりをめざす
株式会社Aコープ佐賀やまもと店副店長 寺田基孝氏(左)、オタフクソース株式会社九州支店福岡営業所 神田拓郎氏(右)
普段から店内の陳列やディスプレイを重視し、店の活気を演出することに力を入れる株式会社Aコープ佐賀やまもと店は、メーカー主催の大陳コンテストでも多くの受賞実績を持つ。
同店副店長の寺田基孝氏は、「近隣の競合店との差別化を図る意味で、陳列の楽しさ、買い回りしやすさなどを重視しています。装飾などにこだわるだけでなく、お客さまから要望の出た商品の品揃えや、レジでの袋詰めサービス実施など、日常的に来店していただける店をめざしています」という。
中でも入口正面で展開する大陳については、来店客に大きなインパクトを与えると同時に、販売実績の向上にもつながることから力を入れている。同店では、ギフト期間中を除き、毎月3回程度大陳を実施するという。そのため、1週間程度で売り切ることを前提として発注量を決定。商品が残った場合はエンドで展開することでほぼ計画通りの販売実績につなげている。
通常の大陳コンテストでは、まず渕上浩一店長が中心となって参加を決定し、アイデアを考えることが多い。その上で作業を分担し、オリジナルボードを作り、商品を積んでいく。「なかなか一度にはできないので、ボードの準備や陳列にもそれぞれ3~4日かかっています。ボードのキャッチコピーも、店長がじっくり考えていることが多いですね。また一応陳列ができた後も、色の配置などにこだわって微調整します。とにかく大人にもお子さまにも、楽しんでいただき、喜んでいただきたいという思
結果にこだわらず顧客視点で陳列に注力
株式会社Aコープ佐賀やまもと店
今回の陳列は「健康と豊かさと和」がテーマ。オリジナルボードを使ってメッセージを発信すると同時に、インパクトのあるひな壇陳列と、商品のパッケージデザインを生かした美しいカラーバランスに気を配った。
寺田副店長は「目立つ売場なので、積んでいる時からお客さまが足を止め、買っていただけることもありました。お客さまの多くがメニューを決めずに来店される傾向があるので、この売場を見て“今日はお好み焼”と決める方も多いようでした。その結果、キャベツや肉など、生鮮部門にも大陳効果が波及しますので、店全体の活性化策としても非常に効果があったと思います」という。
同店の立地エリアでも、最近はお好み焼は家庭内食のメニューのひとつとして定着しているという。また単品としてだけでなく、お好み焼をごはんのおかずとして食べる層も拡大するなど広がりを見せている。
寺田副店長は「お好み焼といえば“オタフクソース”というくらい地域では広く認知されていますが、最近は簡便性や容量の手頃さからセット商品の売れ行きが伸びる傾向にあります」と指摘している。
こうした地域特性を踏まえ、今回の陳列でも各種ソースをダイナミックに展開したほか、セット商品を前面に配置してアピールした。
今後の大陳コンテストについては、「結果にはあまりこだわらず、とにかくお客さま第一の観点で、店の活性化につながる大陳を展開していきたい。その結果が評価につながれば大変うれしいです」(寺田副店長)と語ってくれた。