量感持たせた陳列で最高賞を獲得
100ケースの圧倒的な大量陳列
グローサリー部の富田健士バイヤー
今夏、開催された日清オイリオグループの「かけるオイル&フライDAY&BOSCOディスプレイコンテスト」の企業賞で見事、最優秀賞を獲得したのは岐阜県の(株)三心。グローサリー部の富田健士バイヤーは「最高賞をいただくことができ、ありがたい気持ちでいっぱい」と喜びを表現する。
岐阜県、愛知県で展開する全20店で7月初旬から8月下旬にかけ、ディスプレイを実施した。売上上位店の蘇原店(岐阜県)、さぎ山店(岐阜県)、三条店( 愛知県)の3店は店内の一角にある催事場で、その他の店舗はゴンドラエンドにおいて売場をつくり、多くの来店客に商品を強くアピールした。
「日清ヘルシーオフ」「日清ヘルシーごま香油」「日清キャノーラ油」といった、日清オイリオグループの主力商品を陳列。今回のテーマは「ボリューム」で、どの店も量感を持たせて商品を高く積み上げ、さらに上部に商品の特徴を説明するボードを掲げて目立たせた。なかでも蘇原店は、入口すぐの場所で約100ケースもの圧倒的な大量陳列を施した。
基本的な商品構成や展開方法は、富田バイヤーが日清オイリオの営業マンとも相談しながら立案、基本形として各店へ伝えた。今回、健康配慮型の高付加価値商品の「日清ヘルシーオフ」については、より目立つよう工夫したのがポイントだ。それを受け、店舗では複数の担当者が協力し、売場をつくった。
多くの人が通過する場所で展開したため来店客の注目度は高かった。平常月に比べ、どの商品も2~4倍と大幅に売上高が伸長した。
富田バイヤーは「当社では売場担当者に自分の意思で売場を工夫できる裁量が認められている。そのため全店が画一的ではなく、手書きPOPを添えるなどし、個性を出していたのはよかった」と話している。
来年も最高賞をねらい、連覇したい
三条店の陳列例
三心の店舗は売場面積400~450坪が標準フォーマットで、地域密着型の運営を方針とする。日常の生活に必要な品質のよい食材を、可能な限り低価格で提供し、各地で消費者からの強い支持を獲得している。
ただここ数年、同社の商勢圏では競争が激化しているのが現状だ。とくに同業の食品スーパーだけでなく、食品の扱いが大きいドラッグストア、ディスカウントストアの存在感が増している。富田バイヤーが担当するグローサリーは、他店と価格が比較されやすい品目だけに、価格設定については気を遣っているという。
このなかコンテストに参加する意義を、富田バイヤーは次のように教えてくれた。「競争が激しいため、価格以外の価値を訴求することで競合店との差別化を図ろうとしている。ディスプレイコンテストの手法は、楽しさや迫力といった要素をお客さまの視覚に伝えられるという点で有効だと考えている」。
同社では、来年以降もコンテストにエントリーする意向だ。「来年も最高賞をいただけるようめざし、できれば連覇したい。今後もお客さまに喜んでいただけるような品揃え、売場を実現できるよう努力する」と富田バイヤーは意気込みを見せる。