グループ内のコンテストで陳列技術が向上し、受け継がれる
複数の参加店舗が異なるコースでグランプリ、準グランプリを獲得
オリーブオイルコースでグランプリ、ごま油コースで準グランプリを獲得するなど優秀な成績を収めたAコープ西日本。さまざまなコンテストで好成績を続ける同社の取り組みについて、代表取締役社長の草場浩氏にうかがった。
「もともと全国のAコープグループ内で年に2回、PB商品のディスプレイコンテストがあり、それに積極的に参加してきました。その中でのノウハウの蓄積が、今回のようなメーカー主催のコンテストでも生きているのではないでしょうか。コンテストに向けて売場づくりに取り組むことは、陳列技術のレベルアップにつながり、店としてはお客さまに商品を手に取っていただく機会にもなりますので、日頃からどんどん参加するようにいっています」(草場社長) コンテストへの参加や基本的な方針、数量などは原則的に商品部が主導する。これを受けて各店が参加を決定し、具体的な演出やディスプレイについては独自のアイデアで陳列を行っている。
同社ではSM61店舗を運営しており、平均面積は約160坪ほど。地場の生鮮品を扱うことを最大の強みとしているが、グロサリーのコンテストに参加できるスペースは限られている。草場社長は「どうせ参加するなら全店参加をめざしたい。比較的少ない発注量でもボリューム感を出す陳列スキルは上がっています。今後は、どれだけ横に広げていけるかが重要だと考えています」という。
大陳の販促効果には継続性が期待できる
同社店舗への来店客平均年齢は70歳代が多く、全国的に少子高齢化が進む中でも、健康への関心を持つ層が多いのが特徴だ。その中で、オリーブオイルやごま油のヘルシーさを訴求する絶好の機会となり、販売実績も大きく向上した。
草場社長は「大陳を展開することで、一時的に売上が上がるだけではなく、大陳後もその波及効果が継続する傾向にあります。もちろん、ただ大量に積むだけでなく、オリジナルのボードなどでメッセージを発信することが必須だと考えています」という。
また草場社長は、大陳を行ううえで重要なのは商品をよく知ることだと強調する。「商品の特徴を理解していればお客さまにも自信を持っておすすめできます。こうした意識が担当者だけでなく、パートさんも含めた全員で共有されている店は強い」 今後も同社では積極的にコンテストに取り組んでいく方針だ。「今回の複数受賞はさらなるモチベーション向上につながるはずです」(草場社長)という。