大きな折鶴と和風テイストの演出目立つ陳列で目を引くことに成功
改装をきっかけに幅広い年齢層に向けたプロモーションを強化
株式会社リックコーポレーション タイム平井店店長 光實正博さん(右)、同店ペット担当真保安以子さん(左)
今回の受賞陳列はタイム平井店でペット部門を担当する真保安以子さんが担当。これまでもコンテストで入賞をした経験はあるものの、「グランプリと聞いて、半信半疑というか、信じられない気持ちのほうが強かったです」という。
一方同店店長の光實正博さんは「陳列に迫力があり、注目度も高かったので、賞をとってもおかしくないと、少し期待はしていました」という。
同店では、2016年12月に改装を行っており、2階に文房具や食品、キッズコーナーなどを配置した総合的な店舗に生まれ変わった。「それまで多かった中高年世代のお客さまに加えて、若いお客さまやご家族連れが増えてきました」(光實さん)
そのためもともと力を入れてきた陳列だけでなく、イベントスペースを活用したクラシックライブの開催や、LINEを活用した情報発信など、幅広い世代に向けたプロモーションを積極的に展開している。
また企業としても陳列強化を図っており、売上実績などを加味した社内コンテストも行われている。光實さんは「陳列は各店の担当者が自分で考えて行っています。売場の担当者は経験も長く商品知識も深いので、逆にこちらから聞くことが多い。信頼して多くの業務を担当していただいています」という。
陳列をきっかけに来店客との会話が生まれる
タイム平井店
今回の受賞陳列は、大きな折鶴がまず目を引き、“和”の雰囲気を醸し出す演出が印象的。真保さんは「いつもコンテストに参加するときは、まずメーカーさんのウェブサイトを開き、どんな思いが込められた商品なのかについて情報収集します。今回は新商品ですが『懐石』ブランドなので、和風でいこうと考えました」という。
その結果、パッケージデザインを踏襲した黒と花柄のボードをベースに、さまざまなキャッチを短冊型にはめ込む演出を構想。さらに大きな折鶴を盛り込むことも決めた。これらの販促物はすべて手作り。
「折鶴はどうせ作るなら目立つようになるべく大きなものを、と考えたのですが、実際に作ってみると思った以上に大変で、少し後悔しました。大きすぎるのでどうしても羽が重さで垂れてきてしまう。厚紙を入れたりいろいろ工夫しましたが、結局竹ひごの骨を入れることで飛び立つような羽を表現することができました」と苦心の様子を語っている。
縦書きの短冊など、細かい造形作業については、「毎日少しずつ進めたので2週間ほどかかりました。陳列を考えるとき、発想はいろいろ広がっていくのですが、実際にやってみると大変だと思うことが多いです」と真保さんはいう。
高く羽ばたくような折鶴が、遠くからでも目立つ迫力があり、立体感のある陳列。商品のデザインイメージを生かした演出の中に、短冊型のメッセージを盛り込み、効果的に商品情報を発信している
苦心した折鶴は、結果としてアイキャッチの効果があり、大成功だった。「すごいね」と声をかけてくる来店客に対し、新商品を紹介するいいきっかけになったという。
真保さんは「日頃から“うちの猫があまり食べなくなった”、などと相談されることが多い。猫は食事に飽きやすく、気に入るとそればかり食べる傾向があるので、新商品の提案がなかなか難しい。こうしたお客さまとの会話の機会は、新商品を試していただく提案のためにとても重要だと考えています」と語っている。