親しまれるロングセラーと博物館的演出で顧客に話題の売場!
伝説をたたえるような売場
写真左から、ホクノー中央店 食品・日配バイヤー古川智之氏と食品・日配アシスタントバイヤー中川卓哉氏、日清食品㈱営業本部 北海道支店 営業課の八子航平氏と松田健冶氏
昨年の秋に開催された日清食品「すべては、この発明から。大陳コンテスト」において、大陳コースのグランプリを受賞したのは㈱ホクノー(北海道札幌市、野地秀一代表取締役社長)のホクノー中央店である。食品・日配アシスタントバイヤーの中川卓哉氏は「尊敬している人物の1人である安藤百福さん発明の「チキンラーメン」のコンテストなので、気合を入れて挑戦しました。そして、グランプリ受賞ですから、これ以上の喜びはありません」と語ってくれた。
オリジナルトップボードで、「伝説の始まりはここから 世界初のインスタントラーメン それは日清チキンラーメン」とテーマを訴求。「発売60周年」のPOPとの相乗効果によって、来店客へのアピール力が高まっている。
さらに、安藤百福氏の「チキンラーメン」発明の功績をまとめた偉人伝風の巨大な本に見立てたPOPを中央に配置した。また、「チキンラーメン」のアレンジレシピを紹介するPOPによって、「楽しくつくって、おいしく食べる」魅力も訴求。博物館を意識した演出で、興味や購買意欲を高める売場になっている。
「皆さまに愛されているロングセラー商品であり、朝ドラ効果も考慮して、『すべては、この発明から。』というコンテストテーマをストレートに打ち出すことを考えました」と中川アシスタントバイヤーは話してくれた。
顧客ニーズを品揃えに反映
周辺の団地をはじめ、地元の消費者に長く親しまれている地域密着のホクノー中央店
(株)ホクノーは、札幌市内にスーパーマーケット(SM)5店舗を展開。ホクノー中央店は、1970年前半に開発された札幌市内の大型団地「もみじ台団地」の地域密着SMとして、1976年にオープン。今では顧客の中心は高齢者となっている。
「高齢のお客さまは、昔から親しんでいる商品を購入することがほとんどです」と食品・日配バイヤーの古川智之氏。そのため同店では、競合店に品揃えがなく、顧客が求めている商品をラインアップするようにしている。
新商品の場合、顧客に売り込むには工夫が必要。日清食品の「チキンラーメン」をはじめ、「カップヌードル」や「日清のどん兵衛」など、親しみのある商品は、売上の高い商品。そのなかで、「カップヌードル」や「どん兵衛」の「お椀で食べる」シリーズが売れているため、他店よりも品揃えを充実させている。「高齢の方にとっては、お椀サイズがちょうど食べやすい量なのです」と中川アシスタントバイヤー。「手間をかけずに、おいしく、量も多すぎない」というのが、購入ポイントになっている。
このように、顧客のニーズに合う商品は、売れる。新商品の場合は、「どんな特徴があり、そのメリットは何かを伝えることを重視し、それに見合った商品を常に探しています」と中川アシスタントバイヤー。同店にとってディスプレイコンテストは、定番商品以外に新商品などを提案できる場として、活用の価値は高い。
今後も、顧客への情報発信や商品提案の場として、ディスプレイコンテストに積極的に参加していく考えである。