圧倒的な独自性、迫力でグランプリ
手づくりのオブジェ、イラスト
左から、水産部の松原エミ氏、グロサリー・ノンフード部マネージャーの瀧口真嗣氏、事務員の竹中雅美氏
2018年夏から秋にかけ開催された「よりどりみどり! 凄麺まつりディスプレイコンテスト」で見事、大陳コースのグランプリを獲得したのは(株)光洋のマックスバリュエクスプレス大だい物もつ店。売場づくりを担当した同店グロサリー・ノンフード部マネージャーの瀧口真嗣氏は「最高賞をめざしていたので、とてもうれしい」と素直に喜びを表現する。
ディスプレイを実施したのは昨年10月23日から11日30日までの4週間。レジ近くの催事スペースにおいて売場をつくり、多くの来店客にアピールした。
「札幌濃厚味噌ラーメン」「喜多方ラーメン」「富山ブラック」「尾道中華そば」をはじめとする「凄麺」シリーズのほか、「名古屋発台湾まぜそば」「元祖ねぎみそらーめん」などヤマダイの主力商品を、ボリューム感を持たせて高く積み上げた。
さらに「ご当地ラーメン」「決定 10月29日 凄麺の日」「麺で日本を感動させたい」といったキャッチコピーを配置したほか、ラーメンをモチーフにしたオブジェやイラストを使って演出した。既製のものは使わず、いずれも手づくりの販促物で、ディスプレイからは圧倒的な独自性と迫力が伝わってくる。
売場づくりのポイントについて、瀧口氏は「お客さまに注目していただけることを意識した。またヤマダイさまの商品を少しでも多くの方に手に取ってもらい、食べてもらいたいと考えた」と語ってくれた。ディスプレイは、多くの人の協力により完成した。ユニークなオブジェを制作したのは、同店水産部の松原エミさん、イラストは事務員の竹中雅美さんが担当。さらに商品の陳列は、岡田正和店長が手掛けたという。
目立つ場所で展開したこともあり、来店客からの注目度は高く、売れ行きも上々だった。ふだん定番売場で販売しているときに比べ、10倍以上も動いた商品も多く、同店では大きな手応えを感じたようだ。
18年3月に「図画工作班」結成
大陳コースグランプリを受賞したマックスバリュエクスプレス大物店
マックスバリュエクスプレス大物店は、阪神電鉄「大物」駅の高架下にある。駅からすぐの利便性の高い立地であるため、乗降客のほか、周辺地域の利用者で日々、にぎわいを見せる。
同店では独自性、季節感を重視した売場運営を行っている。岡田店長は「チェーンストア企業の店舗として標準化、効率化を重視しながら、当店の個性を出すことでお客さまに喜んでいただきたいと思っています」と話す。
同方針のもと、大物店で18年3月に結成されたのが商品や売場を楽しく演出する「図画工作班」だった。当初、瀧口氏1人だけで活動していたが、スカウトにより前述の松原さん、竹中さんもメンバーに加わるようになった。聞けば瀧口氏は大学時代、サークルで映画を制作していたことがあり、こういった表現活動は得意としている。
図画工作班の結成以来、瀧口氏は精肉や鮮魚など各部門を回り、楽しい売場づくりを行い、来店客から好評を得るようになった。そんな活動が、とあるメーカーの目に留まったことがディスプレイコンテスト参加のきっかけになったという。最初に、コンテストありきの取り組みでない点がユニークだ。
今後も、瀧口氏はコンテストに参加する意向だ。「楽しい売場づくりを通じて、低価格を打ち出さなくても商品に興味を持っていただけることが面白いです。今後もお客さまの満足度を上げられるようなディスプレイに取り組んでいきます」と話している。