独自の陳列台やボードを駆使しメッセージ性のある陳列を実現
徹底した事前準備で陳列作業を効率化
株式会社キョーエイ 取締役営業部長 浅生仁志氏(中央)、王子ネピア株式会社リビングサポート事業本部名古屋支店金沢営業所 主任 狩野寛行氏(左)、大協紙商事株式会社取締役部長 大野進氏(右)
王子ネピアでは、森林を守る観点からFSC®(Forest Stewardship Council :森林管理協議会)の認証紙を主要製品に使用。今回のコンテストでも、「森を守る紙を選ぼう!」がテーマとなっている。
FSC®コースのグランプリを受賞したキョーエイキャロット1店の株式会社キョーエイ・取締役営業部長の浅生仁志氏は、「FSC®の意義を陳列でどう表現するか。それが最大の課題でした。メーカーさんのサイトを閲覧するなどして調べた結果、メーカーさんの思いをメッセージとして、ボードで大きく掲げることにしました」という。
陳列はいちばん上に今回のテーマを掲げたほか、左右に配置したボードでメッセージを大きく掲示。手前にティシュの5個パックを円形什器に積み上げ、トイレットロールとキッチンタオルをひな壇陳列とステージ風の張り出しで展開した。迫力とボリューム感が目を引くと同時に、メッセージボードにも自然に目が向く仕掛けになっている。
陳列にかかった時間は3人で2時間程度。意外なほど短いが、「まずオリジナルの販促物については制作依頼書を書いて、キャッチコピーやデザインイメージを担当部署に提出するとつくってもらえる仕組みになっています。また商品の寸法を事前にすべて調べて、何個並べるか、どう配置するかを図面に書いて決めておきます。ですから作業現場での時間は比較的短くてすみます。ただ陳列している途中で、まだプライスカードも付けていないのに買っていかれるお客さまもいて、ありがたいですが、なかなか大変でした(笑)」(浅生氏)という。
浅生氏は、コストや時間を無制限にかけるのではなく、少しでも効率的に作業を行うことが、大陳の成果を最大化するポイントととらえている。
商品の取りやすさや見やすさを最も重視
キョーエイキャロット1店
同店は、メーカー主催の大陳コンテストで多くの受賞実績を持ち、全国的に注目されている店舗。浅生氏は、「大陳コンテストに対する基本的なスタンスとしては、お客さまに喜んでいただき、販売実績を上げることを最大の目的と考えています。結果として賞をいただければ大変うれしいですが、あまり結果にはこだわりません」という。
いつも大陳を展開する入口正面の売場は、生鮮売場より前にあり、季節感や驚きなど、店の印象を決定的に左右する重要な売場と考えている。大陳は2週間に1回程度の頻度で切り替えていくが、常にインパクトがあると同時に、販売実績につながる陳列を続けていくことを目指しているという。
「そのために、さまざまなコンテストで入賞している他店の陳列もおおいに参考にしています。いいと思えばすぐに真似してみたり。とにかく重視しているのは商品の見やすさと取りやすさ。それは陳列の基本だと思いますが、見た目にこだわり過ぎて、そこを外すことがないよう意識しています」(浅生氏)という。
また浅生氏は、「今回の受賞でうれしかったのは、食品スーパーである当店が受賞できたことです。日用品に強みを持つ他業態との競争があるなかで、われわれもワンストップショッピングの利便性を追求していくためには、日用品にも力を入れていく必要があると考えています」