受賞店の声即席麺

明星食品 2023年秋 ディスプレイコンテスト ディスプレイコース グランプリ ㈱ハマヤ サンシャインしまんとハマヤ店

明星食品 2023年秋 ディスプレイコンテスト

主催:明星食品株式会社

小さな町のチャレンジ精神で2年振りにグランプリを獲得!

デザインソフトを使いこなす敏腕スタッフの意外な経歴

㈱ハマヤ サンシャインしまんとハマヤ店

㈱ハマヤ サンシャインしまんとハマヤ店

昨年開催された「明星食品 2023年秋ディスプレイコンテスト」のディスプレイコースグランプリに、高知県四万十町のサンシャインしまんとハマヤ店が選ばれた。四万十川中流域の、人口1.5万人という小さな町の生活を支えるスーパーマーケット(SM)だ。「グランプリは21年以来。また獲得することができ、すごく嬉しいです。これまでの苦労がすっ飛びました」と、グロサリー・企画担当の伊与木綾氏は喜びを語った。

オレンジを基調とした温かみの感じられるディスプレイ。コンテストの時期がちょうど受験シーズンだったため、「温かいものをすぐにおいしく食べられる」というイメージで制作されたという。ボリューム感満点のその陳列の中には、四国を中心に地域限定で販売されている「チャルメラ 新味」や、高知県民に愛される「鉄板焼きそば かつお風味」を組み込み、親近感を抱ける品揃えにした。

天井から吊るされているA1サイズの大きなポスター状の販促物は、伊与木氏が売場展開当日に自らの手で作ったもの。「シンプルでガツンとお客さまに刺さるものを」とのコンセプトを軸に、文字のデザインからレイアウトまですべて携わったという。「当日は、日常業務と同時進行しながら制作しなければいけないので、時間は限られていました。それでも、なあなあでやるのではなく、納得いく形で作り上げたかったんです」と伊与木氏。

販促物制作のため、Photoshopを自在に使いこなす伊与木氏。さぞかし、豊かなデザインの経験を持っていると思いきや、意外にも伊与木氏は、1日4時間のレジ打ちパートとして同店で働き出したという。「ある日、売場担当に移ることになりまして。それで小さい販促物から作り始めたんですね。そしたら、いつの間にかとあるディスプレイコンテストのグランプリを取ってしまって」(伊与木氏)

チャレンジできる環境がユニークで温かい店舗の秘密

㈱ハマヤ サンシャインしまんとハマヤ店

写真左から、同店グロサリー担当 胡麻崎信彦氏、グロサリー・企画担当 伊与木綾氏、明星食品㈱ 四国営業所 児玉昌征氏

デザイン経験のないパートの女性が、グランプリを複数獲得する。スタッフがここまで成長できたその秘密は、サンシャインチェーンが掲げる「個店主義」という企業理念だ。

同じような品揃えになってしまいがちなSMという業態の中で、どう独自性を打ち出すことができるか。その課題に向かって、スタッフが思い切りチャレンジできる環境が当店にはある。「当社の社長は気持ちが若く、発想が柔軟なんですよ。『こんなことしたら親切やと思わんか』って言われるうちに、いつの間にか色々やるようになりました(笑)」と伊与木氏。

また、当店の独自の取り組みとして目を惹くのは、地域SMでありながら、外商部門があることだ。伝統的なワラ焼きによるカツオのタタキ「龍馬タタキ」など、地域性を生かしたオリジナル商品の開発にまで手を広げている。「そのパッケージのデザインも、私がPhotoshopで作っています。それこそ、ディスプレイと同じように」(伊与木氏)

そして田舎ならではの温かい、アットホームな店づくりは、同店でしか味わえないと思わせるものだ。「自分もお客さまも楽しめるような空間を作れることに、すごくやりがいを感じています」と語る伊与木氏からは、スタッフと来店客との間の信頼関係がにじむ。

最後に、今後の展望について伊与木氏に聞いてみた。「この町も例に漏れず、人口減少が課題です。その中でも、お客さまと一緒に、明るく元気な空間を作っていくことがミッションになると思います。『田舎やけど、すごいな!』って思ってもらえるような空間を作りたいですね。それこそ、高知を代表するような!」

㈱ハマヤ サンシャインしまんとハマヤ店

オレンジを基調とした温かみが感じられる売場。「温かいものをすぐにおいしく食べられる」というイメージで制作したという