ボリューム感と独自性を重視し来店客に目立つ売場づくりを実践
注目が集まる売場に!
昨年の秋に実施された桃屋の「秋の大陳写真コンテスト」において、これぞ大陳コースのグランプリを受賞したのは、㈱ユニカのマグレブ事業部が運営するファーマーズマーケット千歳屋である。同事業部の田中健太郎氏は「グランプリ受賞を目標に、初エントリーしました。本当に受賞できるとは思っていなかったので、うれしさよりも驚きの方が大きいです。ありがとうございました」と笑顔で語ってくれた。
来店者が必ず通る催事スペースで、ボリューム感たっぷりに展開された売場。「お客さまの目に止まらない売場は意味がない」と田中氏。そのためにボリューム感とオリジナリティーを重視している。
今回は、売場のテーマを「桃屋100周年」に設定して、オリジナルPOPが作成されている。それは、天井から吊るした「桃屋ヒストリーボード」やアイデアレシピを掲載したトップボードや裾巻きなどで、注目度を高めている。「オリジナルPOPは、桃屋のホームページを参照して、情報と画像データを集めて、作成しました」と田中氏。
商品陳列に関しても、「桃屋の商品は瓶詰で、同じような高さやサイズ感なので、陳列しやすい」と語る田中氏。そのおかげで、多彩な並べ方ができるので、今回のような変化のある来店客の目に留まる面白い陳列が可能だったという。
2週間の大陳でほとんど売り切ることができ、売上を伸ばすことにも成功した売場となった。
改装を機に販促を強化
京王線と小田急多摩線の「多摩センター」両駅から徒歩約1分に立地する複合商業施設「マグレブビル」の1階に、1992年3月にオープンしたファーマーズマーケット千歳屋。2019年4月の改装によって、マグレブとマグレブEASTの各2・3階への増床・移転を実施した。売場面積とともに、通路幅も広がり、ゆったりと買物が楽しめるようになった。「改装前のお客さまは、高齢者の比率が高かったのですが、改装後は、ベビーカーを押したファミリー層のお客さまも多くご来店いただけるようになりました」と田中氏。
そこで、幅広い層のニーズに応える多彩な品揃えを行うことと、提案型の売場展開がより重要となった。その施策の一つとして、取り組んだのがディスプレイコンテストへの参加だった。顧客に提案したい新商品やニーズに合う商品提案に効果的なこともあり、積極的に参加するようになった。改装でスペースを広く取れたため、催事スペースを有効に活用するボリューム感たっぷりの売場づくりを行っている。
「桃屋の場合は、営業担当者さんがアレンジメニュー提案などの販促企画とともに、商談をしてくれるので、売れる売場がつくりやすいので助かっています」と田中氏。また、商品をリピート買いしてくれるロイヤルティの高い顧客が多いことから、「迫力の大陳を行っても、売り切れることが桃屋商品のメリットです」(田中氏)。
桃屋のコンテストに、初エントリーして、グランプリを受賞できたのも、何かの縁と考える田中氏は「次回も桃屋のコンテストに参加して、今回以上の売場づくりにチャレンジしたい」と抱負を語ってくれた。