手づくりの販促物を多用しオリジナル感あふれる演出に成功
作業を楽しみながらスタッフが協力して取り組む
前列左から、Aコープ門川店店長 佐藤佳代氏、同菓子担当 斎藤正美氏、後列左から、株式会社明治 西日本支社菓子営業部営業二課 課長 宮内政和氏、同菓子営業部SPスタッフ 高木文子氏、同菓子営業部営業二課 藤井康明氏
エーコープみやざきは、近年大陳コンテストに積極的に参加しており、入賞実績も増えている。明治のコンテストには昨年に続く参加で、初のスーパーグランプリに輝いた。
同社商品部部長・椎葉佐世保氏は「地域密着型の店舗が多いので、地域のお客さまに喜んでいただくことが最大の目的。店舗規模が異なるためすべての店舗が参加できるわけではありませんが、陳列を評価される機会は、スタッフのモチベーションとなり、スキルアップにつながると考えています」という。
今回の受賞について、商品部商品課審査役の中武和広氏は、「スーパーグランプリという大きな賞をいただいて驚いています。門川店は店長を中心にチームワークがよく、陳列の工夫に意欲的でセンスもあります。日頃の努力を見ているので、この結果は大変うれしいです」という。
佐藤佳代店長も「いつもお客さまに見て楽しんでいただけるような、ワクワクする陳列をめざしています。大陳には担当者を中心に多くのスタッフが協力して取り組んでおり、作業自体を楽しむ雰囲気。そのことが結果として販売にもつながっています」と語る。
意見を出し合って少しずつ細部を固める
Aコープ門川店
今回の陳列を担当したのは菓子担当の斎藤正美氏。「まず夏らしい“祭り”イメージと、竜宮城の雰囲気を演出しようと計画。商品のパッケージカラーを生かしたカラフルで楽しい陳列をめざしました」という。
こうした基本的なアイデアは、比較的すぐに思い浮かび、簡単なスケッチをもとに細部を検討していくという。「店長やほかのスタッフからも“こうしたらいいんじゃない”という意見がいろいろ出て、すごく楽しい作業です」(斎藤氏)という。
作業は時間の合間を見て、分担して少しずつ進める。時には帰宅後に自宅で販促物をつくったり、手持ちの小物を演出に活用することも。今回の陳列で「カールおじさん」が着ている着物も斎藤氏の私物だという。こうした努力が今回のスーパーグランプリ獲得につながっている。
今回のポイントは、スペースを生かして、どこから見ても楽しめる両面展開と、大きなボードなどのオリジナル販促物。実物の砂を使って小さな砂浜をつくり、商品や、手づくりした「乙姫」を配置するなど、こだわりを感じさせる演出で竜宮城のイメージを見事につくり上げた。
陳列スペースは壁際に連なる生鮮売場のすぐ後ろにあたる催事コーナー。「主導線に面しているので目につきやすく、店としては常に季節感を演出するスペースととらえています」(佐藤店長)。斎藤氏も、「今回の明治の大陳では、おかあさんが肉や魚を選んでいる間に、お子様がお菓子を選ぶ、というイメージを想定していました」という。
リピーターが多い来店客からも、大陳演出への期待が大きく、作業を始めると「今度は何やるの?」などと声をかけられることも多い。こうした反応がやりがいにもなるという。
「日頃から陳列事例について全社で情報共有を図っていますが、今回の受賞も社内で発表します。他店も刺激を受けるのではないでしょうか」(中武氏)。佐藤店長も「今後のコンテストにも、みんなの力を合わせて積極的に取り組みたい」と語る。
オリジナルの販促物を多用した手づくり感あふれる陳列。夏休みを意識した楽しさと活気が感じられる売場となっている。アイランドの両面からの視線を意識した、高さと立体感のある演出も迫力につながっている