ボリューム感あるディスプレイでグランプリを獲得
陳列で通常より2倍売れる
2023年10月10日から12月15日を期間として開催された「明治ブルガリアヨーグルト発売50周年記念ディスプレイコンテスト平台コース」で見事、グランプリを獲得したのはJA全農Aコープの「JAファーマーズ・たじまんま和田山店」(兵庫県朝来市)。売場づくりを担当したストアチーフの植岡哲也氏は「まさかグランプリをいただけるとは思ってもいなかったため大変、驚いています」と喜びの表情を見せる。
23年11月7日から1週間、主通路沿いに設置する多段の大型平台でディスプレイを展開。多くのお客が通る場所で商品を強くアピールした。
「明治ブルガリアヨーグルトL B 81プレーン400g 」「明治ブルガリアヨーグルト脂肪0 苺180g 」「明治ブルガリアヨーグルト アロエ70g×4」など、同シリーズをすべて使い、ボリューム感を持たせて積み上げた。
今回は「明治ブルガリア」ブランドの発売50周年を迎えるのを記念し開かれたコンテスト。売場では陳列した商品の上部に「おかげさまで50周年」「気が付けばいつもそばに ♩明治ブルガリアヨーグルト♩」といったキャッチコピーを掲げ、来店客の視線を集める工夫を凝らした。
植岡氏は、明治フレッシュネットワークリテール営業部リテール営業1グループの三好佑朱さんらの協力も得ながら、約3時間をかけディスプレイを完成させた。売場づくりを行っている最中も、来店客は「何ができるのだろう」と関心を持って見ていたという。
ディスプレイの効果は大きかった。「平台に加え、隣接する定番売場でも連動させて商品をアピールし、どの商品も通常より2倍以上売れた」と言い、植岡氏は手応えを得たようだった。
「生産者コーナー」が人気
JAファーマーズ・たじまんま和田山店(売場面積600坪)のオープンは19年10月。JA全農Aコープが展開する食品スーパー(SM)としては大型店に入り、兵庫県におけるフラッグシップ店に位置づけられる。
特徴は、青果部門に約100坪の「生産者コーナー」を導入している点。近郷で収穫された新鮮で高品質な青果物を生産者自らが陳列する。現在、生産者の登録数は約300人に上る。来店客の立ち寄り率が高い、人気コーナーに育っている。
生鮮各部門では国産を中心に品揃えを行う方針で、精肉部門では、地元のブランド牛「但馬牛」も扱う。青果と同様、各部部門でも鮮度、おいしさ、安心安全な商品を訴求、強い支持を獲得する。
ただ周辺エリアに目を向けると、競争環境は厳しいのが現状だ。有力SMが点在するほか、食品の扱いが大きいドラッグストアもあり、価格訴求に力を入れる店舗が多い。
これに対し、JAファーマーズ・たじまんま和田山店では、購買頻度の高い商品は地域水準で提供する一方、前述のとおり鮮度の高さやおいしさにこだわり、さらに豊富な品揃えで集客を図る。
その中、ディスプレイコンテストに参加する意義を、植岡氏は次のように説明する。「広い売場を活用、低価格以外の価値を訴求できる。また陳列を工夫することで、お客さまに楽しさ、驚きを提供できるのも大きい」
今後もJAファーマーズ・たじまんま和田山店では、ディスプレイコンテストに参加する意向を持つ。今回、グランプリを獲得したが、次回もグランプリを狙い、2連覇をめざすという。
今後も、同店ではさらに魅力的な売場が見られそうだ。(了)