店舗一等地の広い催事スペースで四方に向けて異なるテーマを発信

顧客とコミュニケーションできる“伝わる”演出を意識

フジグラン重信店

明治恒例のバレンタイン企画「店頭陳列・演出コンクール」で、ディスプレイコーススーパーグランプリを獲得したフジグラン重信店は、東館1階に位置する食品館を中心に、多くの専門店や飲食店、映画館などが入居する大規模ショッピングセンター。広域集客力も高く、東温市内でも中心的な商業施設として地域に根付いてきた店舗だ。

同店で今回の陳列を担当したのは、同店食品①主任・近藤真紀氏と、同店菓子担当の二神智美氏。

近藤氏は、「比較的規模の小さい店舗から異動してきて間がない時期の企画でしたので、大規模店でなければできない、ダイナミックで迫力のある売場をつくってみたいと考えていました」と語る。

一方、二神氏は同店菓子担当としてこれまでも明治のコンクールに参加し、受賞経験を持つ。「いつもどんな演出をすればいいのか悩むばかりで、明治さんに相談しながら何とか陳列を行ってきました。今回も、スーパーグランプリなどはまったく頭になく、知らせを聞いてびっくりしています」（二神氏）。

また同店店長の宇野直人氏は、「陳列そのものは担当にまかせていますが、いつも言っているのは、お客さまに喜んでいただき、伝わる売場、コミュニケーションにつながる売場をつくってほしいということです。日頃もお客さまにフジグラン重信のファンになっていただけるような、魅力ある演出を意識しています。今回の陳列は規模も大きく、誰が見てもつい足を止めてしまうようなインパクトのある陳列でした。それを高く評価していただけましたので、一同、大変喜んでいます」と語る。

360°から見ることがきる大規模なアイランド展開

株式会社フジ・リテイリング フジグラン重信店 店長 宇野直人氏（右から2番目）、同店食品①主任 近藤真紀氏（同3番目）、同店菓子担当 二神智美氏（同4番目）、四国明治株式会社 愛媛支店 リテールソリューション営業部 菓子営業課課長 川又健史氏（右）、菓子営業課SPスタッフ 竹本梨沙氏（左）

今回の受賞のポイントのひとつは、売場を展開したスペースの広さだった。ショッピングセンターという立地の特徴を生かして、モール内でも一等地の、広い催事スペースを確保。吹き抜け構造になっている場所で天井高も高い。

ここに360°からアクセスできるアイランド形式の売場を設置し、遠くからでも目につきやすい、高さのあるカラフルな陳列を行った。四方向にそれぞれ異なるテーマを設定した陳列を行い、来店客は、自分が見る場所から移動することで、さまざまな提案や発信を受け取ることになる。

たとえばひとつの面では、「メルティーキッス」を訴求、別の面では機能性チョコレートを、コトPOPなどを活用して提案するなど、いくつもの顔を持った売場を実現している。

二神氏も「バレンタインの意味合いが、家族や友人同士、自分へのご褒美など、多様化していますので、ひとつの売場で違ったテーマを発信できたのは効果的だったと思います」と語る。

このほか明治の担当者と相談しながら、展開スペースの広さを踏まえて、数多くの箱形什器を確保したり、大量のハート型バルーン、大型商品のダミーなどを提供してもらい、アイキャッチ効果を高めている。また四国内の明治で独自に使用されている「メルティーキッス」の女の子のキャラクターイラストも、かわいらしさを打ち出す演出効果につながった。

近藤氏は「私は大規模店でコンクールに参加する初めての機会でしたが、明治さんの協力のおかげで、自分でも楽しみながら、十分に広さを生かす演出ができたと思っています」という。

また宇野店長は、「フジグラン重信店は、オープンして今年30年目になります。そして『メルティーキッス』は昨年30周年という事ですが、今年フジグラン重信店も30周年を迎えます。お互いアニバーサリーな境遇も重なり、そうした機会に最高の賞をいただくことができて何よりでした」と語ってくれた。

広い吹き抜けの催事スペースを生かしたダイナミックな売場を展開。360°から見ることができ、2階の回廊からも目につくような高さのある売場を実現し、来店客の注目を集める演出に成功している