わかりやすく目につきやすい演出で売上実績の大幅な伸長を達成
インパクトと遊び心のある売場を展開して成功
今回の陳列を主に担当したのは、株式会社一号舘 商品部デイリー担当係長の内山泰一氏。通常、メーカー主催のコンテストについては、バイヤーという立場で提案を受け参加可否を決定し、店舗に情報を提供している。しかし今回は、Ichigokan+PLUS 桑名陽だまり店の陳列を自ら担当した。
その理由について内山氏は、「前回の明治さんのコンテストの陳列も担当して、自分なりに自信があったのですが、あまり上の賞が取れませんでした。今回は何とかてっぺんを取りたいという気持ちがあって、再チャレンジすることにしました。それ以上にもともと店舗で陳列を工夫するのが大好きだということがいちばんの理由かもしれません。ですから今回の結果は素直にうれしいです」と言う。
今回の陳列で重視したのは、「ザバス ミルクプロテイン」という商品をわかりやすく伝えようということだった。「商品は知っていても、実はあまり詳しい情報を持っていないお客さまも多いのではないか。まずザバスとは何で、どんなときに飲むのかといった点を、インパクトと遊び心のある売場から発信したいと考えました」(内山氏)。
実際の陳列では、Tシャツを着せたマネキンを冷ケースの中に設置して、アイキャッチに使用。さらに「おいしく飲めてなりたいカラダへ」というわかりやすいキャッチを大きく掲げた。Tシャツや帽子、ダンベル、プロテインシェイカーなどの小道具は、内山氏の私物を使用したという。
この陳列を行った結果、最初の週販は前週比で約5倍に急伸長。1か月後はやや売場を縮小したが、月間ベースで前月比2倍の売上を記録するなど、大きな成果につなげることができた。
内山氏は、「1カ月後以降も数字が伸びているということは、リピート購入も増えているということだと思います。その点、十分アピールできたのではないかと考えています」と言う。
自分で使ってみて商品をよく理解することが重要
内山氏は参加を決定したあと、まず自分で商品をよく知ることが重要だと考え、実際に購入して飲用を続けてみたという。
「大きく売場を展開しておすすめするからには、まず自分がその商品に惚れなければダメと考えました。実際に飲んでいくうちに本当に“なりたいカラダ”に近づいていったので、自信を持って提案することができました」(内山氏)。
販促物は明治の担当者と相談して必要なものを用意してもらったほか、POPなどを手づくり。商品は主にアピールしたいと考えていた430mlを前面に出し、ブリックパックを奥の波型什器に配置した。
内山氏は「とにかく一目でスポーツやダイエットを連想することができ、商品の特徴や魅力をわかりやすい表現で伝えられる売場にしよう、というのがコンセプトでした。近隣にスポーツジムがあるせいか、陳列中から“何ですか”と聞いてくるお客さまもいて、会話もできたので、ある程度目的が果たせたのではないかと思います」と手ごたえを語る。
前回のコンテストのリベンジを達成したかたちになった今回のグランプリだが、今後の取り組みについて内山氏は「大陳コンテストへの参加は売場全体への刺激になりますし、工夫してアピール方法を考える経験は、ふだんの売場づくりにも生きてきます。ほかの催事展開などをにらんで、タイミングが合うかどうかが重要ですが、チャンスがあればどんどん参加していきたいと思っています。とくに私個人としては、勉強しないとわからない商品のほうが燃えるので、いろいろなコンテストにチャレンジしてみたいと思っています」と意欲を語ってくれた。