“お客さまも自分も楽しく”をモットーに手づくり感あふれる陳列を展開
すべてフリーハンドで「コトPOP」を仕上げる
Aコープ九州 しろいし店は、これまでもさまざまなコンテストで受賞を重ねてきた店舗。その実績を支えてきたのが副店長の前田りか氏だ。ふだんから店頭で使用する「コトPOP」を手書きしており、来店客の目を引く、完成度の高いPOPを縦横に駆使し、成果につなげている。
前田副店長は「もともとイラストやPOPを書くのが好きでしたが、以前、明治さんにPOPのセミナーを実施させていただいたことから、ますます積極的に製作するようになりました」と言う。
POPやボードを手書きするのにかける時間は1枚5分程度と非常に早い。「下書きをすることもなく、感覚で書き始めて完成させます」と、前田副店長は言う。どんな内容を書くかも、パッとひらめくことが多いという。
同店店長の山口和弘氏は「同じ商品を陳列するにしても、コトPOPの効果は販売実績を大きく左右します。前田自身の写真付きのPOPを見たお客さまから、“それを見て買った”と声をかけていただくようなこともあります。現在では前田のPOPをデータ化してAコープ九州各店が共有しており、必要に応じてどの店舗でも出力して使用できるような体制をとっています。また前田の特技を生かして、オリジナルのレシピカードを作って、メニュー提案としてお客さまに配布しており、好評です」という。
前田副店長の描くPOPは、会社全体に好影響を与えている。
バレンタインデーで伝える“感謝の想い”がテーマ
今回の受賞陳列でも得意のコトPOPを駆使し、オリジナリティあふれる演出を行った。
「バレンタインの企画でしたが、当店は来店されるお客さまの年齢層が幅広いので、男女の恋愛だけでなく、より広い意味で日頃お世話になっている人に、感謝の想いを伝えよう、というメッセージを打ち出すことにしました。お子さまにも喜んでいただけるような、楽しい雰囲気を出せるように意識しました」(前田副店長) 実際の陳列では、ひと目見て圧倒されるような、多くのコトPOPからさまざまなメッセージが発信されている。すべて手書きの文字やイラスト、大量のハートマークなどがあしらわれた、楽しい演出に仕上がっている。
スペースが限られているため、陳列の自由さには限度があるが、その条件の中でいかに効果的な手づくり演出ができるかを追求している。作業は店長と明治のSPスタッフである香月惠子さんと3人で行った。天井からのハートマークの吊り下げは店長が担当した。
「日頃からお客さまも自分も『楽しくなきゃスーパーじゃない』ということを個人的なモットーにしています。明治さんのコンテストでの陳列は、私自身が明治さんのストロベリーチョコレートが好きなので、いつも楽しんで作業しています」(前田副店長) 山口店長は「当店は生鮮食品の品質にこだわっており、生鮮目当てで来店されるお客さまが多いのですが、こうした大陳の企画は、菓子類や調味料などのグロサリーにも目を止めていただく機会として意義があると考えています。今後も積極的に参加していきたいと思います」と言う。
前田副店長は「いつもPOPに対するお客さまの反応を意識しています。お客さまの心をつかむような表現、お客さまに伝わるおすすめの仕方などを今後も考えていきたいと思います」と言う。