ローリングストック商品に最適なレトルトカレーで注目度をアップ
気づきのアプローチで成功
今年の8月から9月にかけて実施された丸大食品の「2021年 カレー ディスプレイコンテスト」において、大陳コースのグランプリを受賞したのは、㈱丸大(沖縄県島尻郡、大城義弘代表取締役)の糸満店である。店長の上原健一氏は「全国のスーパーマーケット(SM)が参加しているコンテストで、当店がグランプリを受賞できると思ってもおらず、信じられないほど、びっくりしました」と話す。
売場は、来店客にとって魅力的になるようにボリューム陳列を実施。さらに、「沖縄は、四季の季節感が感じにくいことから、秋を彩る魅力的な紅葉の演出を行うことで、楽しんでもらえる売場にしました」と精肉チーフの金城克寛氏。秋のテーマとしてハロウィンを先取りしたイメージ展開も好評で、子供たちがお化けに反応して立ち止まることで、一緒に来店している母親が商品を手に取るというように、購買意欲を刺激する仕掛けが二重三重にある売場となっている。
丸大食品の売れ筋商品であるレトルトカレーをローリングストック商品として提案したことも、「県外の震災報道から意識が高まっている中、お客さまに気づきを与えられたことで売上につながったと思います」と金城チーフは語る。
「お客さま視点」からの発想
㈱丸大は、小売卸業としての創業から70年以上の歴史があり、地域に貢献する企業として発展を続けてきた。現在は、県内に10店舗のSMを展開している。
糸満店は、糸満市と豊見城市の境にあり、近隣には観光スポットも多い立地。加えて、店舗敷地内にアメリカ生まれの人気ファストフード店「A&W」もあることから地元の生活者はもちろん、観光客も気軽に来店している店舗である。
また、国道沿いの大規模店舗ということで、集客力もあり、広い店内での買物がスムーズにできるようにと、陳列に工夫をしていることが特徴である。
今回のコンテスト用の陳列とも共通しているが、お客さまを引きつけるために、ボリューム陳列を重視した売場展開が行われている。さらに、提案や気づきにつながるキャッチコピーの採用やメニュー提案型のPOPとともに関連販売を積極的に展開している。
これは、同社のモットーである「お客さま視点」の発想から、価格以上のメリットや価値を提供するための重要なアプローチとなっている。
「今回のコンテスト参加は、私たちにとっても、とてもよい経験ができたと考えています」と上原店長。今後も丸大食品のレトルトカレーのように、お客さまのニーズに沿った内容のコンテストであれば積極的に参加したいとのことだ。