陳列技術の向上と女性スタッフの活躍の場にもなっている販促の目玉企画
毎年恒例の全店参加企画
売場づくりに関しては、各店の担当の相談にのったり、アドバイスをしながら、一緒につくりあげるという、商品部 デイリーバイヤー 和日配担当の石井沙也加氏
今夏に実施された東洋水産 「“おいしい”をたっぷり込めて! マルちゃん焼そばディスプレイコンテスト」において、企業賞のグランプリを受賞したのは㈱リオン・ドール コーポレーション(小池信介代表取締役社長)。商品部デイリーバイヤー和日配担当の石井沙也加氏は「3年ぶり3回目のグランプリですが、私が担当になって初めての受賞であり、とてもうれしい」と語ってくれた。2年連続グランプリの後を受けて、引き継いだ担当だったため、「プレッシャーがありましたが、なによりも各店のスタッフのおかげ」とのこと。
石井バイヤーからは、コンテストの趣旨やテーマを伝えるだけで、各店が商圏特性を踏まえ、創意工夫のある売場をつくりあげている。同社では、マルちゃん焼そばのコンテストは、毎年恒例の販促の目玉企画という位置づけであり、毎回、全店(今回の参加時は51店舗)で参加。他企業はもちろん、同社の店舗同士が良きライバルとなることで、売場づくりの技術やノウハウは年々レベルアップしている。
その結果、独自性に磨きがかかり、演出力や訴求力が強化されている。オリジナルPOPづくりやレシピ提案、クロス販売など、企画性が重視された展開がほとんどである。石井バイヤーに送られてくるコンテスト応募用の売場写真は、「この発想は面白い」とか、「買物が楽しくなる売場になっている」と思わせるものばかりで、企業賞グランプリ以外にも個店での各賞入賞を果たすという結果となった。
女性が活躍できる場を拡大!
同社は、福島県を中心に、新潟県、栃木県の3県で53店舗(2018年10月現在)を展開している。福島県内においても、中通りエリアと会津エリアでは、生活者の風習や嗜好には違いがある。そこで、同社では、各エリアおよび各店の商圏に合わせたニーズに対応した品揃えを行える体制を整えている。
その基本となるのが、地元生活者のニーズの把握である。各店では、来店客とのコミュニケーションを促進することで、情報収集を行っている。また、パートのスタッフは、地元の主婦がほとんどであることから、品揃えのアドバイスや売場づくりなどに、積極的に参加できる環境をつくっている。顧客のほとんどが主婦であるため、その視点や感覚、購買行動などをいちばん理解しているのは、パートスタッフである。
ディスプレイコンテストにおいても、ほとんどの店舗で、売場づくりに参加しているのは、女性パートであるという。同社では、女性店長も増えており、女性が活躍できる場を拡大している。「女性目線も、男性目線も、どちらも重要」(石井バイヤー)という考え方で、消費者に受け入れられる、時代にあった売場を創造している。
「マルちゃん焼そば」は、商品力があり、売上も高い。そこに満足することなく、新しい味を次々と商品化し、消費者を刺激し続けている姿勢に共感しているという同社。コンテストは、定番では紹介しにくい新製品もラインアップできる。常に進化を続ける企業に協力できるコンテストの参加は、とても意義があると考え、今後も、消費者にアピールでき、価値ある売場づくりで、コンテストに挑戦していくという。
リオン・ドール高根沢店:「マルちゃん焼そば」を食べて、子どもたちに夏休みを元気に過ごしてもらいたいという思いを込めて、マルちゃんがいろいろな表情で動き回っている姿をPOPで表現した売場
リオン・ドール十日町店:夏の海をイメージした売場。海で食べるBBQに、焼そばをすすめている。手づくりの楽しさが伝わってくるオリジナルPOPによって、訴求力がアップしている