「買物する“よろこび”を創造する」を現場起点による売場づくりで追求
店舗間の競争意識で活性化
写真左から、マックスバリュ関東(株) 代表取締役社長の手塚大輔氏、東洋水産(株) 東京支店の原田侑治氏、マックスバリュ関東(株) 商品部 デイリーグループ マネージャーの高代裕香氏と、取締役 営業商品本部長 兼 商品部長の石井泉氏
今夏、開催された東洋水産「マルちゃん焼そば、二重マル! 夏のディスプレイコンテスト」において、企業賞のグランプリを受賞したのはマックスバリュ関東(株)(手塚大輔代表取締役社長)である。商品部 デイリーグループ マネージャーの高代裕香氏は「今回は、企業として総力をあげて、グランプリ受賞をめざして参加しました。最高の結果を得ることができ、とてもうれしいです」と喜びを語ってくれた。
同社は東京、千葉、神奈川、埼玉の1都3県に、34店舗を展開している。会議などで、すべての店長が頻繁に顔を合わせることから、競争意識が生まれやすい環境にある。今回も、その意識がよい方向に作用したことで、画一的ではなく、アイデアに富んだバラエティー豊かな売場がつくられた。「マックスバリュ関東としての売場づくりのフォーマットを基本とし、それを踏まえたうえで、各店が創意工夫を行うマルチフォーマットです」と取締役営業商品本部長 兼 商品部長の石井泉氏。
チェーンストアとしての統一感を顧客に伝えることと、各店の商圏特性を取り入れた売場づくりは、ディスプレイコンテストにおいても同様だ。企業としての生活者へのアプローチをベースとして、地域の顧客にどのようにアピールをして行くのか。その回答が、今回の売場づくりであり、企業賞のグランプリ受賞と、5店舗が各賞入賞を果たした。
売場づくり向上のきっかけに
マックスバリュエクスプレス市川店:「マルちゃん祭り」と銘打ち、屋台をイメージした売場を展開。8月8日の「マルちゃん焼そばの日」のPOPはアイキャッチャーとして効果的です。
マックスバリュ関東(株)の現在の店舗フォーマットは、売場面積700坪以上の「マックスバリュ」と200~300坪ほどの「マックスバリュエクスプレス」の2つ。さらに、地域ごとに商圏環境や客層は多様化している。そこで、同社では、各個店・各エリアのニーズに対応することを重視している。
代表取締役社長の手塚大輔氏は「お客さま視点での課題解決を図るため、各店舗でコミュニティ社員( パートタイマー)を含む全員で、自店の課題やめざす方向を議論し、『店舗方針』として実行している。本部は『店舗方針』のサポート役と位置付けている」と語る。店舗でやりたいことと、本部の基本戦略とを調和させた個店ベースでの施策も柔軟に取り入れている。店舗での“現場の気づき”を生かしたスピーディーな対応。そのような現場起点による売場づくりが、同社の強みである。
商品力のある「マルちゃん焼そば」を中心としたコンテストは、取り組みやすさがあることから、同社のほとんどの店舗が参加。売場づくりに対して、評価を得られるコンテストへの参加は、モチベーションアップにもなる。また、参加することで、会社のビジョンである「買物する“ よろこび”を創造する」を具現化していくきっかけとなっており、売場づくりの発想力や技術力なども、年々アップしているという。
社内でも毎月、販売コンクールを実施しており、ディスプレイコンテストとともに「喜ばれる売場づくり」のノウハウを次々と蓄積。同社は今後も、顧客視点を大切にした現場起点からのアプローチで、価値ある売場づくりを推進していく。