現場力の強化として取り組む
楽しく、驚きのある売場づくり
プラス1のアイディアが必須
昨年の10月から11月にかけて実施された東洋水産の「こまった日のとっておき。マルちゃん焼そばディスプレイコンテスト」において、企業賞のグランプリを受賞したのは㈱長野県A・コープ(長野県長野市、山﨑進代表取締役社長)である。和日配バイヤーの待井秀俊氏は「当社独自の『マルちゃん焼そばフェア』を実施しており、各店舗ともアイディアのある売場づくりを行っていました。その手応えがあっての参加でしたが、実際にグランプリを受賞できたことは、光栄であり、各店のがんばりの賜物だと思います」と喜びを語ってくれた。
同社全28店舗が参加して挑戦したコンテストは、各店舗がアイディアを活かした訴求力の高い売場づくりを行っている。「本部からはコンテスト参加の意向と概要の連絡を入れるだけで、各店が商圏特性に合わせて、独自に取り組んでいます」と話す待井バイヤー。
ただし、同社には「見て楽しんで、食べて楽しい」という売場づくりのテーマがある。それを売場に反映させるために、『プラス1の販促物+新しい食べ方提案』を必ず行うことになっている。
今回も各店舗が競い合うように、オリジナリティーのある演出と訴求効果の高いPOP、購買意欲を高めるメニュー提案を組み合わせた売場を展開している。
各店の個の力が集まることで、企業としての魅力やパワーになったことが、グランプリ受賞に結びついたといえる。
売場を重視した取り組み
㈱長野県A・コープは、県内に28店舗を展開し、その特徴は全店に生産者直売コーナーを併設していることにある。その他、すべてにおいて、地元産・県産・国産を最優先し、「新鮮・安全・安心・健康」にこだわった食品や商品を取り揃えている。
「このように品質の高い商品などを揃えても、お客さまにそれが伝わらなければ意味がない」(待井バイヤー)とのことから、数年前からスタッフを対象としたコトPOPの講習会を積極的に実施している。
訴求力のある販促物やブラックボードを使用した雰囲気のあるPOPなどによって、演出力とともに、陳列技術も数段と向上している。さらに、同社独自の社内コンテストも実施していることから、講習会で習ったことを実践し、評価を受ける機会もある。
このような積み重ねによって、売場づくりのクオリティが上がり、現場力の底上げとなっている。
東洋水産のようなメーカーのコンテストに参加することも重要で「外部からの厳しい目で評価される貴重な機会」(待井バイヤー)となっている。この評価については、本部の会議で、受賞の評価ポイントや工夫した点などを発表。全店で共有できるように水平展開されている。
同社の店舗は近年、これらの取り組みによって、さまざまなコンテストで上位入賞という結果に結びついている。
「東洋水産の商品は売りやすいことから、コンテストに参加しやすいことが魅力」と語る待井バイヤー。全国誌でのグランプリは、モチベーションアップになることから、次回も全店の力を結集して、挑戦したいと考えている。