「ありがとうロード」をテーマに“インスタ映え”陳列をめざす
食卓で話題になるような愉しめる演出をめざす
フジグラン石井 菓子部門 井上和代氏(中央)、同店店長 中野修氏(中央右)、同店食品②主任 長久昌生氏(中央左)、株式会社ロッテ 営業本部中四国統括支店 営業部松山支店 営業主任 鈴木直氏(右)、同高松支店 ロッテプロパー 井口康代氏
フジグラン石井がロッテの母の日ガーナディスプレイコンテストでグランプリを獲得するのは2013年に続いて2回目。今回の陳列を担当したのも当時と同じ井上和代氏。菓子部門でさまざまな大陳を手掛けてきた。
「前回はこうしたコンテストへの参加は初めてで、グランプリをいただいてびっくりしました。それ以来、毎年参加していますが、なかなか新しいアイデアが出てこなくて悩みながら取り組んでいます」と井上氏はいう。
同店の中野修店長は、「商圏エリア内の競合店やネット通販との競争が厳しくなるなかで、ご家族で来店されるお客さまが家庭の食卓で、“フジグラン石井でこんな陳列があった”と話題にして楽しんでいただけるような、感動や驚きのある演出を心がけています。大陳コンテストへの参加もそのきっかけとして重視しています。ロッテさんの母の日のコンテストは、各世代にわたって家族一緒に楽しんでいただけるテーマなので、積極的に参加しています」という。
同社では日頃から「私の売場づくり」と題して売場の画像を毎週イントラにアップして評価する仕組みや、52週MDの企画に沿ったPI値コンテストを実施するなど、陳列に力を入れている。こうした努力が今回の受賞をはじめとするさまざまなコンテストでの実績に結びついている。
陳列途中から写真を撮るなど来店客の反応も上々
フジグラン石井
今回の陳列については「まず店長から“インスタ映え”をテーマにしようと提案があり、それを前提に陳列を考えました。私自身も母に感謝したいという思いが強く、赤のじゅうたんを敷いた“ありがとうロード”をつくることにしました。そのうえで商品や販促物の具体的な配置を考え、長久主任やロッテさんの担当の方と何回も相談しながら細部を詰めていきました」(井上氏)
同店食品②主任の長久昌生氏は、「インスタ映えというねらい通り、売場が完成に近づくにつれて、足を止めて見ていくお客さまが増え、写真を撮られる方も増えていきました」と十分な手ごたえを感じた。「ありがとう」という感謝のメッセージは井上氏の手書き。この書は、フジグラン石井の母の日のおかあさんの絵のコンテストでも、表彰式に使用されたという。
井上氏は「大きなコンテストなので賞をいただけるかどうかは自信がありませんでしたが、ロッテさんにも思いを共有して、大変なご協力をいただき、店長や主任の後押しもあったので、自分としてはこれまで以上に思い入れのある陳列でした。グランプリ受賞という連絡をいただいた時は涙ぐんでしまったほどです」という。
井上氏は大陳に参加するようになってから、仕事以外の時間にも陳列のアイデアを考えることが増えたという。他社の店舗などを見て、陳列の参考にすることもある。
「アイデアを考えるのは大変ですが、店舗の規模によっては大陳企画に参加できない場合もあるので、今の立場は大変ありがたいと思っています。昨年フジは50周年を迎え、新たなスローガンとして“フジがあってよかった”と思っていただける笑顔あふれる接客をめざしています。私自身もちょっとしたことでお客さまに“ありがとう”といっていだけることが本当にうれしい。今後も楽しみながら、喜んでいただける陳列をめざします」(井上氏)