子どもの頃の思い出と母に対する感謝の思いを陳列で表現
商圏に多いファミリー層に向け“母の日”ガーナを提案
株式会社タイヨー タイヨー永利店店長 天辰哲郎氏(後列左)、同店食品主任 川迫弘幸氏(前列中央)、ロッテ商事㈱営業本部九州統括支店鹿児島支店支店長 井上岳彦氏(後列右)、同営業主任 横田航氏(前列右)、同ロッテプロパー 下陳美香さん
今回の陳列を主に担当したのはタイヨー永利店食品主任・川迫弘幸氏。受賞の知らせを聞いてまず感じたのは「安心した」という気持ちだったという。2016年も同じコンテストに参加し、陳列には自信があったが、グランプリには届かなかった。
川迫氏は「ロッテさんの商品には自分なりの思いがあり、それを表現して伝えたかった。幼いころ母親に連れられて買物に行き、お菓子を買ってもらって一緒に食べた思い出。そして今度は自分が親になり、子どもにお菓子を買い与える立場になって、改めて親に対する感謝の思いや懐かしさを感じています。今回の“母の日ガーナ”の陳列では、ようやくその思いを伝える表現ができたのかな、とホッとしました」という。
川迫氏が表現したかったのは、暖かい家庭に帰り、家族でお菓子を食べるという、思い出の中にあるイメージ。
同店の天辰哲郎店長は「タイヨー各店の中でも永利店は、お客様の年齢層が若く、お子様連れのファミリー層が多い店舗です。“母の日ガーナ”のコンテストはそうしたエリア特性にマッチする企画だと考えています。陳列は主任に任せていたので、完成するまで“いったい何ができるのか”と興味津々でしたが、陳列に込められた思いを知り、主任の普段の姿とは違う、ロマンチスト的な一面を見たようで、ちょっと感動しました」という。
前回より大きな庭のある家を表現
タイヨー永利店
陳列にあたっては、ロッテでフィールドを担当する下陳美香さんやスタッフも協力。昨年も売場で家を表現したが、今年もそのコンセプトを踏襲して、さらに大型化。大量の製品を並べて庭のある大きな家を作り上げた。「ガーナというと赤のイメージが強いのですが、これにグリーンを合わせることで、より印象の強い売場になると考えました」(川迫主任)
庭には発泡スチロールと応援用のボンボンなどを使って制作した“お菓子のなる木”も設置。屋根は空き箱を使うと重くなり過ぎるため、印刷したパッケージデザインを貼り合わせて制作した。子どもが陳列の中に入り込むことを想定し、安全性にも十分に気を配っている。
結果として多くの子どもが芝生に寝転んだり、家の扉を開けてみたりと、反応は上々。関心を引き付けることに成功した。
川迫主任は、「コンテストに限らず日頃から意識しているのは、お客様の足を止めるだけのインパクトのある陳列です。特に菓子部門の場合、扱う商品は同じでも、いかに違うように見せるか。お子様の目線を意識して見せ方を工夫することや、毎日来店されるお客様が飽きを感じないよう、常に変えていくことなどが重要です。その中でロッテさんの担当の方は頻繁に来店され、売場のメンテナンスに気を配ってくれるため、売場担当からの信頼度が高いです」という。
また天辰店長も、「価格訴求で売れ行きがある程度読める加工食品と違い、菓子やスイーツは、取り組み次第で実績が大きく変わってくるカテゴリーです。鹿児島県下も少子高齢化で厳しい競合環境にあり、世の変化にいち早く対応し、お客様にタイヨーに行くことの意義を何か感じていただくことが必要。その意味で陳列の果たす役割は大きいと考えています」という。
「ガーナ」を中心に、ロッテ製品を使って大きな庭のある家を表現。自由に入り込むことができる構造と、インパクトのあるカラーリングで注目度を高めることに大成功した