「ガーナバス」やガーナの犬小屋など手づくり演出で来店客の目を引く
昨年を大きく上回る販売実績を記録
ゆめマート田崎で今回の陳列を担当したのはパートナー社員の今田光治さん。受賞の知らせを聞いたときは「陳列はこれまでで一番いいできだと思っていましたが、グランプリはまったく想定していなかったのでびっくりしました」と笑顔で語る。
同店は熊本駅にも近い住宅区立地で、来店客の約4割を60歳以上が占めるなど、中高年の比率が高いが、最近は駅前再開発などが進み、若い世代の割合も増える傾向にある。またSCが複数立地することから、広域からの集客も少なくない。
そうした中で今回の陳列では、幅広い世代に気軽に買ってもらえるような、手に取りやすく、買いやすい陳列をめざしたという。「 キャラクターの『ピーナッツ』のメンバーが乗車しているような『ガーナバス』をつくったほか、手作りの犬小屋も配置して、お子様にも喜んでいただけるように工夫しました」(今田さん)
陳列場所は出入口に近いレジ横のスペースで、注目度も抜群。例年同じコンテストに参加して売場をつくってきたが、今年の販売実績は昨年を大きく上回ったという。
「多くのお客さまが立ち止まって見ていかれるなど、反応に手ごたえがありました。いい売場ができたと思っていたので、グランプリ受賞はやはりうれしいですね」(今田さん)
コロナ影響下だからこそSMの役割を果たしたい
中央のカーネーション飾りを使った「マザーズデイ」のボードや、フェルトと段ボールの犬小屋を手づくりしたのは、ロッテプロパーの古場まゆみさん。これまでのディスプレイコンテストでも同店の陳列を手伝ってきたが、初のグランプリ受賞で喜びもひとしおだ。
古場さんは「今回はお客様の目線を意識して、高さや配置に特に気を使いました。販促物の手づくりについては、実は私の子どもも手伝ってくれています」という。
今田さんは「競合の厳しい立地なので、売価だけでは競争に勝てません。やはり、商品をお客さまにどのように見せ、情報を発信していくかが重要だと考えています。ディスプレイコンテストは売場づくりを考えていくうえでいい経験になります。古場さんは以前から献身的に手伝ってくれていて、ふだんからデパートの売場を見に行って参考にするなど熱心です。今回の受賞も古場さんをはじめ、ロッテさんのみなさんのおかげだと思います」と語る。
また今田さんは、スーパーはお客さまのライフラインとしての役割をしっかり果たすことが重要だと考えている。「今回もコロナの影響で暗いムードがありましたが、逆に売場を通じて活気や元気を伝えていければと考えていました。以前の熊本地震のときもそうでしたが、いざというときに必要な物資をしっかり提供するなど、役割を果たしていければと思います」という。
また同店主任の大元裕喜さんは、「この6月に異動してきたばかりなので、今回の陳列には携わっていませんが、今回、グランプリという結果が出たからには、次の機会も評価される陳列ができるよう努力したいと思います」と語る。
関係者一同のチームワークで獲得したグランプリ。次回以降の参加にも意欲的で、おおいに期待できそうだ。