新規顧客獲得と売上アップを目的にあえて「キムチ鍋」をテーマに訴求!
おいしさの発見でアピール
昨年の8月末から10月末にかけて実施された「東海漬物 2020年ディスプレイコンテスト」において、オリジナルテーマコースのグランプリを受賞したのは㈱サーブ(大阪府大阪市、福西弘規代表取締役社長)のサボイ味道館泉ヶ丘店である。売場づくりを担当した商品部デイリー課バイヤーの濵田吉仁氏は「東海漬物では、昨年、準グランプリを受賞しました。今回は、グランプリなので、とてもうれしいです」と語ってくれた。
濵田バイヤーと上司の2人でつくり上げた売場のテーマは、「キムチ鍋との相性抜群な『こくうまキムチ』」だ。
「こくうまキムチ」は、日配売場でトップ3に入る売れ筋商品。「定番で十分に売れていますが、この機会にアウト展開により、新規顧客獲得をめざそう」(濵田バイヤー)と考えた。いろいろなキムチ商品を食べ比べ、いちばんキムチ鍋に合うと実感したことから、「キムチ鍋」を打ち出すことになった。「こだわりの魚介エキスでコクと旨味をUP!!」と商品特徴もしっかりとアピールできることもポイントだ。
視認効果と訴求力をアップしているオリジナルののぼりは、本部で作成した布製。「紙製だとよれてしまい、ラミネート加工では反射で見えにくくなりますので、布を採用しています」(濵田バイヤー)。
「キムチ鍋」訴求は、陳列予定期間の1週間を待たずに、すべて売り切れてしまうほど好評だった。
プロモーション展開に注力
㈱サーブは、大阪府と兵庫県に9店舗のスーパーマーケットを展開。精肉をはじめ、生鮮品に強みがある地域密着型である。サボイ味道館泉ヶ丘店は、約15年前にオープン。同社の中では、大型店であることから、エンドやプロモーション売場を多数設置しており、積極的に活用している。
濵田バイヤーは「これらの場所をチラシと連動した価格訴求の売場にするだけでは面白くありません」と語る。来店客に気づきを与えることで「もう一品買ってもらえる場所」と位置づけているのだ。
そのため、プロモーション展開やテーマ設定など、工夫を凝らした売場づくりを行っている。「ディスプレイコンテストは、その1つの施策であり、さまざまなコンテストにも積極的に参加しています」ということだ。
さらに、濵田バイヤーは1年ほど前から、店舗担当も兼任するようになった。「バイヤーだけのときと違い、現場を見ることによって、現場感とお客さまの動向をより実感することができるようになったことから、売場づくりに対する考え方も変わってきた」と話す。自分自身や従業員が楽しんで取り組めることを重視することで、その思いは、来店客に伝わり、楽しい買物につながっていく。
また、今回のコンテストでもシニア向けに陳列した「たくあん」は、1本商品やハーフサイズ商品だけではなく、消費者ニーズを取り入れたスライス済みのたくあんもしっかりと陳列している。
今後も、ディスプレイコンテストを活用することで、商品のよさや買物の楽しさを伝えていきたいと考えている。