母の日に合わせたコラボ企画を展開 インパクトのある売場で大きな反響
新商品を新たに売り込むことでプラスオンの効果を期待
そうてつローゼン成瀬店は約500坪弱の売場面積を持ち、同社店舗の中でもトップクラスの売上を誇る大型店。今回の陳列は、その中でも一等地にあたる入口に近い催事スペースで展開された。
それだけに、今回のグランプリ受賞について店長の久保田修氏は、率直にうれしかったと言う。「メーカーさんの営業担当の方に熱意を持って提案していただき、こちらの担当者とのコミュニケーションもよく取れていた結果、賞をいただくことができたと考えています。大変感謝しています」と話す。
陳列を担当した同店グロッサリー担当の飯沼雅宏氏は、今回の参加理由について、「午後の紅茶はふだんから売れている商品ですが、今回は今までとくに売り込んでこなかった新商品が対象商品に含まれており、今後のプラスオンが期待できると考えて参加しました」と言う。また、「時期的に母の日にあたることから、森永製菓さんの母の日向け商品をクロス展開することにしました。これについては以前に同様のコラボ企画の実績があり、事前によくメーカーさんともコミュニケーションを取っていたのですが、キリンさんから見れば他社商品を一緒に打ち出しているわけですから、グランプリと聞いて、“まさか”という思いが強かったです」と受賞の驚きを語る。
こうしたコラボ企画については複数のメーカーとのやりとりが必要になるが、飯沼氏は「せっかく人と人とで仕事をしているわけですから、何かを実現するために、多くの関係者がよく話し合って調整することは大切だと思っています」と言う。
大陳の最大の目的は商品に興味を持ってもらうこと
実際の陳列については、当初テレビCMの雨上がりの青空をイメージし、赤い傘をあしらうなどのアイデアを構想した。しかし商品の数量が多く背景が隠れてしまうため、むしろ午後の紅茶35周年と、新商品を強く打ち出すほか、母の日を絡めた売場として展開することにした。
飯沼氏は陳列のアイデアについて、「もともと社内にこうした大陳の工夫が得意な人がいて、そうした人々から教えてもらって、徐々に陳列技術などを磨いてきました。他店の売場なども常に参考にしています。ただそうした中でも、大陳はとくにお客さまに興味を持っていただき、商品を手に取っていただくために行うものなので、自分の“作品”のような感覚で自己満足に陥らないように意識しています」と言う。
今回の陳列も売場の前で足を止める来店客が多く、売上も好調。とくに子供連れが多い午後は、反響の大きさを実感できたという。
久保田店長は「昨年はコロナ禍の影響があり、メーカーさんも動きにくい状況でしたが、そうした中でもせっかく来店されるお客さまに少しでも喜んでいただけるよう、売場の演出に力を入れてきました。今後も楽しい売場づくりを日々実践していきたいと思います」と言う。
また飯沼氏は「売場からの発信としては、なぜその商品を売りたいのか、買っていただきたいのか、その理由をメーカーさんとよく話して理解し、さらにそれをお客さまに伝えていくことが大事だと思っています。こうした企画に実際に参加するかどうかはタイミングの問題が大きいのですが、今回は非常に熱心に取り組んでいただき、私としてもやっていて楽しかったです。今後も機会があれば、さまざまな企画にチャレンジしてみたいと思います」と語る。