商品価値をしっかりと伝えることをテーマとした売場づくりを実践!
使用シーンを想起させる売場
写真左から、顧問の萱森弘満氏、商品部部長の小池良氏、商品部バイヤーの大場拓人氏
昨年の秋に開催されたKINCHOの「第49回V.I.P. 陳列コンテスト」において、V.I.P. 大賞を受賞したのは(株)ホームセンターみつわ(福井県福井市、山本丈雄代表取締役社長)の丸岡店。商品部バイヤーの大場拓人氏は「今回は、V.I.P. 大賞をねらって参加しました。しかし、本当に受賞できるとは思っていなかったので、驚きが大きいです。選んでいただき、ありがとうございました」と喜びを語ってくれた。
催事スペースで展開された売場は、来店客に使用シーンを想起させるつくり込みが行われている。左側は、引き出しや衣装ケースでの使用を訴求するために、衣装ケースを採用している。ひな壇にすることで、引き出しのイメージも演出されている。右側は、ハンガーラックに衣類を掛けたディスプレイによって、クローゼットでの使用を訴求。実際の使用イメージをアピールすることで、購買に結びつけるアイデアのある売場となっている。
さらに、アレルギーの原因となるダニへの対策は消費者の関心も高く、ゴンゴンはダニにも効果がある防虫剤であることも訴求している。
「暮らしのなかで、役立つ特徴や使い方をお客さまに伝えられる売場をつくりました」と大場バイヤーは、今回の売場づくりのポイントを話してくれた。
価値ある商品提案を重視
価値ある商品を来店客に知ってもらうために、コミュニケーションとアイデアのある売場づくりを行う「ホームセンターみつわ丸岡店」
(株)ホームセンターみつわは、1976年創業の福井県初のホームセンター(HC)である。地域密着のHCとして県内で9店舗を展開している。
各店の商圏において、高齢化が進んでいるなかで、丸岡店は来店客の3~4割を30~40代が占めている。顧問の萱森弘満氏は「全店共通の課題のひとつになっているのが、ECサイト利用の高まりです。とくに、若い世代が多い丸岡店にとっては、ECサイトと比較した、リアル店舗ならではの取り組みや差別化が必要になっています」と語る。
リアル店舗の強みは、商品を実際に見て、触って、実感できることである。そのために、価格訴求のみにならない、商品価値を訴求できる売場づくりの強化への取り組みを始めている。
商品部部長の小池良氏は「日用雑貨は、価格訴求になりがちですが、特徴や二次的・三次的な使い方を含め、価値のある商品として、いかに消費者へ伝えられるかが重要ととらえています」と話す。そのためには、メーカーとの協力は不可欠であると考えている。
「KINCHOさんは、上司の方も営業さんも現場を知っている方が多く、一緒にお客さまに向いてもらえるメーカーなので、良好なパートナーシップを築くことができています」と小池部長。
「受賞することで、スタッフの士気アップにつながることも再認識できました」と萱森顧問。商品価値の提案を中心に、次回もコンテストに挑戦していく考えである。