キャラクターの「たけぱん」とお花見演出で訴求効果をアップ
オリジナル重視の訴求
今春に実施されたKINCHO防虫剤の「第58回 KINCHO V.I.P.陳列コンテスト」において、V.I.P.大賞を受賞したのは㈱多慶屋(東京都台東区、竹谷宗二代表取締役社長)の御徒町本店である。日雑ケア販促担当の伊藤美穂氏は「まさか全国1位を取れると思っていなかったので、驚きました。KINCHOの営業担当さんに支援いただき、売場のスタッフと一緒になってつくった売場が評価され、とてもうれしいです」と受賞の喜びを語ってくれた。
売場は、来店客の通過がいちばん多い2階の日用品コーナーレジ横の催事スペースで展開。桜の名所である上野公園がそばにあることから、「お花見」で季節感を演出し、多慶屋のマスコットキャラクターの「たけぱん」をPOPに採用することで、視認効果の高い売場づくりが行われた。
さらに、「衣替えシーズン到来!!」「お高い服ほど虫が食う!?」というインパクトあるフレーズや「たけぱんPOP」に添えた手書きの商品特徴で注目度の高いアピールが行われた。
「アイキャッチ効果と販促効果を高める販促物にオリジナリティーを求めたことで、お客さまに気づきを与えることができ、購入に結びつきました」(伊藤氏)。
その結果、防虫剤カテゴリーが伸長し、KINCHOの前年対比は約2倍となった。
必需品から付加価値商品まで
㈱多慶屋は、70年以上(1951年に設立)の歴史を持ち、現在は家電製品、衣料品、時計宝飾、食品、酒、日用雑貨、薬、家具、化粧品、文房具等の総合販売店(総合ディスカウントストア)である。創業の地である御徒町において「TAKEYA1」「TAKEYA3」「TAKEYA4」の3 店舗を展開している。
日雑バイヤーの荒井竜生氏は「地元のお客さまはもちろんですが、御徒町駅に近いこともあり、会社帰りに立ち寄っていただけるお客さまも多く、取扱商品が多いことから、年齢や性別を問わず幅広いお客さまに利用いただいている店です」とのこと。
生活必需品から趣味的な商品や自分だけの宝物的なニッチ商品を探しに来る消費者が多いことも、同店の1つの特徴となっている。また、外国人旅行者の増加に伴って、インバウンド需要も高まっている。
普段から、オリジナルを重視している同社は、POPだけでなく、マスコットキャラクター「たけぱん」までつくってしまった。若手社員を中心に「上野動物園が近いから、パンダでキャラクターをつくろう」という話が盛り上がった。
話はどんどん進み、2年ほど前に公式マスコットキャラクターへ。現在では、SNSやサイネージ広告、POP、LINEスタンプ、着ぐるみになり、どら焼きまで展開している。
オリジナルを重視する社風が、今回の受賞につながったと考えられる。「次回も、オリジナリティーを発揮して、連覇をめざししたい」と伊藤氏は語ってくれた。