限られたスペースを克服する発想力と陳列技術で連続受賞
最大限のボリュームを創出
今夏に実施されたKINCHO殺虫剤の「第36回 KINCHO V.I.P.陳列コンテスト」において、AグランプリコースのV.I.P.大賞を受賞したのはスギ薬局(愛知県大府市、杉浦克典代表取締役社長)の豊中庄内店である。店長の髙阪泰亮氏は「春の防虫剤コンテストに続いて、今回の殺虫剤コンテストでもV.I.P.大賞を受賞でき、本当にうれしいです。カテゴリー違いで連続受賞できたことは、売場づくりでの自信につながります」と話す。
店舗入口横のいちばん目立つ場所で展開した売場は、ボリューム感を出すことがポイントになっている。「スペースが限られているなかで、最大限のインパクトを出すために、立体的な陳列を実施しました」と髙阪店長。前回の春の陳列でも、高さでボリューム感を出したが、今回はそこに立体的な陳列を加味することで、ボリュームとインパクトをさらに強力に打ち出すことに成功した。
赤くそびえ立つ大型什器を用意し、3つの陳列棚を作成。前1本、後ろ2本の飛び出す配置とそれぞれの什器の立体感が相まって、視認性が大幅にアップ。この三角形の陳列は、限られたスペースの中で最大限のボリュームとインパクトを出すことに成功している。
大胆な発想力と高い陳列技術が発揮された売場は、来店客の目を奪うことで、売上アップにも効果を発揮した。
気軽に相談できる店づくり
豊中庄内店は、処方箋の受付から医薬品や食品まで、ワンストップで買物ができる利便性の高い地域密着店として、親しまれている。顧客はシニア層が多いことから、POPや陳列などを工夫することで、商品をわかりやすくするなど、使い勝手のよい店づくりを積極的に行っている。
さらに、来店客とのコミュニケーションも重視している。笑顔の接客を基本とすることで「お客さまから質問や相談などの声かけをされやすい雰囲気づくりを行っています」と髙阪店長。商品選びに困っているような来店客には、スタッフからの声かけや顧客への“接客カウンセリング”を実施することで、「安心して相談できる店」「お客さま中心の店」として、信頼感のある関係構築を推進している。
スギ薬局の田中克明部長は「定番棚だけでは紹介できない商品を提案できるのが、陳列コンテスト。人気の高いKINCHO商品でも、お客さまから『こんな商品もあったの』というような声もあります。コンテストでの商品提案は、選択肢が広がることで、選ぶ楽しさが増え、新しい商品に出会える機会にもなります。お客さまにとっても有意義な販促だと考えています」と話す。
さらに、「販売コンテストは1人当たりの買い上げ点数を上げるきっかけづくりとしても効果的です」(田中部長)。
「当店の目の前にKINCHOの大阪工場があることもあり、人気の高いブランドなので、コンテストに参加しやすい環境があります」と語る髙阪店長。「V.I.P.大賞の3連続受賞をめざして次回も挑戦したい」と抱負を語ってくれた。