「日本の夏=夏祭り」のイメージで来店客が買物を楽しめる売場に!
コロナ禍での演出と訴求
今夏に実施されたKINCHO殺虫剤の「第35回 KINCHO V.I.P.陳列コンテスト」において、AグランプリコースのV.I.P.大賞を受賞したのは㈱京王ストア(東京都多摩市、山岸真也代表取締役)の桜ヶ丘店である。営業本部スーパーマーケット商品第二部衣料課長(兼)家庭用品課長の伊藤康弘氏と家庭用品課バイヤーの須田圭一氏は「9 年ぶりのV.I.P.大賞の受賞です。これは大日本除虫菊様、卸様、弊社と3社でアイデアを出し合い協力をした成果として大変うれしく思います」と語ってくれた。
今回はコロナ禍であり、少しでも来店客が明るく元気になれるようにと「夏祭り」をイメージした陳列を実施。夏といえば「金鳥の夏、日本の夏」という周知のフレーズから発想した売場は、昭和レトロ風の縁日屋台をモチーフにしており、商品を選ぶワクワク感を演出している。
加えて、圧倒的なボリュームでお客さまの視認率を高め、さらに、剤型別にシンメトリーかつ立体的な陳列をすることで、ニーズに合わせた商品訴求が行われている。
展開場所は2階の衣料品、日用雑貨売場とテナントである大手ドラッグストア(DgS)との間の催事売場。エスカレーター近くで、DgSへの来店客にも訴求ができる場所であることから、ヒット商品の「ゴキブリムエンダー」をはじめ、コンテストでの販売は好調だった。
商品価値が伝わる売場づくり
京王線「聖蹟桜ヶ丘」駅に直結している桜ヶ丘店。1階は食料品売場で、2階が日用品や衣料品の売場となっており、テナントとして、DgS企業が出店している。そのため、日用雑貨をどのようにして販売するのかが課題のひとつだった。
同店の商圏内には、高級住宅地や多摩ニュータウンなどがあることから、シニア層はもちろん、高所得者層も多いエリアである。そのため、安心・安全をテーマに掲げる京王ストアらしく、価格訴求ではなく、生鮮品を中心に品質訴求の品揃えをし、競合他社との差別化を図っている。
「コロナ禍である現在は、お店に来ていただいたお客さまに陳列演出やPOPなどで商品価値をどう伝えるかが重要だと考えています」と伊藤課長。
さらに、「お客さまにお店の活気や売場のいい雰囲気を伝えることを重視しています」と須田バイヤーが続ける。その意味でも、コンテストに参加する意義は大きい。
京王ストアでは、同店ともう1店で今回のコンテストに参加。食品スーパーでもあり、その他の店舗ではなかなか陳列スペースが取れず参加できないという事情がある。そのようなことから、「経験が少ないこともあり、弊社1社では売場づくりやアイデアは、なかなか浮かばない。メーカー様、卸様、弊社3社の協力があって、活気のある売場づくりができていると思います」と伊藤課長と須田バイヤー。
「今後も3社で協力し、商品価値を伝えられる売場づくりを行って、次回も受賞をめざして参加したい」と語ってくれた。